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精機製品・産業レポート:回転センタ

特長

1. すべてのNC旋盤に使用可能な防水型

すべてのNC旋盤に適応可能な防水型に製作されています。防水形式は非接触によるラビリンス形式を採用し、高速化に対応しています。前部カバーが回転して生ずる遠心力によりフリンガとなり、防水・防塵効果を一層高めています。

2. 豊富なラインナップ

レギュラータイプに加え、以下のタイプを用意しています。

高速タイプ 高速NC旋盤でご使用いただけます。
スリムタイプ 軸端が細かい加工物やねじ切り加工が多い場合にご使用ください。
超硬チップ付 センタ先端に超硬チップが取付けられています。
取替式 先端のみの交換が可能です。
ダンパーナット付 回転センタの取付け剛性を高くできます。

3. 剛性不足を補うためのダンパーナット[実用新案№1897889]

ダンパーナットは、回転センタの構造における特有の剛性不足を補うものです。特有の剛性不足とは、例えば、同じ加工物でも、固定センタでは「ビビリ」が発生しないのに、回転センタに付け替えると「振れ精度」がでているのにも拘わらず「ビビリ」が生じたり、あるいは、仕上がり精度に「バラツキ」が生じたりすることがあります。これらの原因については、以下に示しますので、ご一読ください。

図1

a. 固定センタの場合、心押軸の端面から先端までの支点距離( )が短く、先端にかかる荷重モーメント{荷重(W)×距離( )}が小さいため、十分な剛性を得ることができます。

図2

b. しかし、回転センタは、頭部にベアリングを組込みますので、その分だけ支点距離(L)が長くなります。従いまして、距離に比例して先端にかかる荷重モーメント{荷重(W)×距離(L)}も大きくなります。結果として、剛性不足が生じます。

図3

c. 支点距離(L)が長くなる程先端の「たわみ」は大きくなり「ビビリ(特に、溝入れやねじ切りに現れます)」や仕上がり精度の「バラツキ」を生じさせる原因となります。

図4

d. この先端の「たわみ」による「ビビリ」や、仕上がり精度の「バラツキ」を解決するために、心押軸の端面と回転センタ頭部との「すき間」を「ダンパーナット」でバックアップして一体化し、「たわみ」の発生を押さえます。これにより、心押軸端面から支点までの距離を回転センタ頭部の前面まで移動させて短くすることができます。このように、先端にかかる荷重モーメントを抑制して、固定センタ並の剛性を得る方式です。