円すいころ軸受

概要

円すいころ軸受

円すいころ軸受は、内輪・外輪の軌道面、及びころの円すい頂点が軸受中心上の一点に集まるように、設計された軸受です。円すい台形のころが転動体として組み込まれており、内輪の大つばによって案内されます。

ラジアル荷重と一方向のアキシアル荷重とを受けることができます。荷重が作用すると、軸受内部にアキシアル分力が生じるので、一般的には、アンギュラ玉軸受と同様に通常2個の軸受を対向させて使用するか、複列軸受として使用する必要があります。この場合、内輪どうし又は外輪どうしの間隔をアキシアル方向に調整することによって、適切な内部すきまを設定することができます。

 

分離形であるために、内輪と外輪とを別々に取り付けることができます。

高負荷容量軸受として、ころの寸法ところ数を増加させたHRシリーズがあります。

接触角の大きさにより、並こう配形、中こう配形及び急こう配形の軸受があり、ころの列数によって複列及び四列の円すいころ軸受もあります。一般に、鋼板の打抜き保持器が用いられますが、サイズの大きな円すいころ軸受にはピンタイプ保持器も用いられます。


製品一覧

メートル系円すいころ軸受

メートル系の中こう配形軸受及び急こう配形軸受には、それぞれ接触角記号C及びDを内径番号のあとに付けます。並こう配形軸受には、接触角記号を表示しません。中こう配形軸受は、主として自動車差動装置のピ二オン軸に使われます。

高負荷容量のHRシリーズの中で、 基本番号のあとに記号Jの付いた軸受は、外輪幅、外輪軌道の小端径及び接触角がISOの規定と一致しています。

したがってこの記号Jの付いた同一基本番号の軸受の内輪アッセンブリ及び外輪は、それぞれ国際的にも互換性があります。

ISO 355に規定されているメートル系の円すいころ軸受には、従来から用いられている3XXの寸法系列によらない新しい寸法のものがあり、その一部を寸法表に記載しています。

外輪幅、外輪軌道の小端径及び接触角がISOの規定に一致しており、内輪アッセンブリ及び外輪はそれぞれ国際的にも互換性があります。その呼び番号は従来のメートル系とは異なり、次のような構成になっています。

インチ系円すいころ軸受

円すいころ軸受には、メートル系のほかにインチ系の軸受があります。四列円すいころ軸受を除くインチ系軸受の内輪アッセンブリ及び外輪には、それぞれ呼び番号が付けられています。

その呼び番号はおおむね次のように構成されています。

 

外輪をカップ(Cup)、内輪アッセンブリをコーン(Cone)と呼びます。また、これらは、1つの軸受(ユニット)を構成するサブ・ユニット(Sub-Unit)と呼ぶことがあります。

軸受の呼び番号は、内輪アッセンブリ(コーン)と外輪(カップ)の順に並べた形で構成されています。

組合せ円すいころ軸受及び複列円すいころ軸受の構造・特徴は表1の通りです。
 

特長

  • あらゆる方向のラジアル荷重、アキシアル荷重、モーメント荷重を受けることができます。
  • 高負荷容量かつ高剛性です。特にモーメント剛性が必要とされる用途に適しています。予圧をかけることで、より剛性を高めることができます。

用途例

  • 産業機械用ギア・ボックス、ローラー軸サポート(ロール・ネック)、片持ちの車輪軸

 

 

 


よくある質問

 

answersアンギュラ玉軸受に比べて円すいころ軸受の方が負荷容量が高くて高剛性です。回転性能ではアンギュラ玉軸受の方が、より高速で回すことができます。

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