基本的な考え方
NSKでは、公平・公正で、社会や環境への影響に配慮した調達活動を行うとの基本的な考え方の下、持続可能な社会の実現に向けてサプライチェーン全体で取り組んでいます。
NSK調達部門のミッション
サプライヤーの皆様との公正・公平・透明な取引を通じて、高いレベルのQuality(品質)・Cost(コスト)・Delivery(納期)と安定調達を実現し、収益の向上とコスト競争力強化に貢献していきます。サプライヤーの皆様と、コンプライアンスを遵守し、CSR調達に取り組むことで、持続可能で責任ある調達を実践していきます。また、グリーン調達基準、サプライヤーCSRガイドラインをサプライヤーの皆様と共有し、サプライチェーン全体でのCSR活動を推進していきます。

方針

NSKサプライヤーCSRガイドライン
サプライヤーの皆様に対して、競争法や贈収賄防止法の遵守などのコンプライアンス、児童労働・強制労働の禁止や労働安全衛生などの労働における基本的な権利や人権尊重、環境負荷物質の管理などの環境保全、紛争鉱物の使用回避に向けた取り組みを要請しています。
NSKサプライヤーCSRガイドライン
NSKグループグリーン調達基準書
温暖化対策や省資源・リサイクルの推進、環境負荷物質の管理など、サプライヤーの皆様とともに、部品・材料の段階からサプライチェーン全体で管理を進めるための基準をまとめています。
NSKグループ グリーン調達基準書
体制
グローバルサプライチェーンマネジメント推進体制
NSKグループでは、サプライチェーン全体で社会的責任を果たしていくために、調達本部(本部長:執行役常務)が中心となり、関連する機能部門やNSKグループ内の生産・調達管理部門と連携しながら、サプライチェーンマネジメントを推進する体制を構築しています。
また、グローバル各地域の調達責任者を集めて年に2回開催しているグローバル調達会議では、調達に関する方針の共有とCSR調達などの関連施策の進捗状況についてレビューを行っています。

目標と実績
第6次中期経営計画(2019~2021年度)目標と2021年度の目標と実績
方針 | 第6次中期経営計画目標 | 2021年度目標 | 2021年度実績 |
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安定調達の確保と「サプライヤーポートフォリオ」の最適化 | 安定調達 | BCP点検主要30社(2018年度からの累計100社) | 新型コロナウイルスの影響はあったものの、訪問/リモートによる診断を20社、フォローアップを17社実施。 |
持続可能で責任ある調達 |
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新中期経営計画2026(MTP2026)(2022年~2026年度)目標と2022年度の目標
方針 | MTP2026 | 2022年度目標 |
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個別最適からGL全体最適視点の「調達改革」基礎再構築 | BCP対応力強化 | BCP点検主要30社(2018年度からの累計120社) |
環境対応調達 |
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取り組み
NSKグループのサプライチェーンの主な内訳
NSKグループは、グローバルで約1,200社(地域間の重複調整後)の直接材サプライヤーの皆様との取引があります。
信頼関係をベースとした安定調達
サプライヤーの皆様へのNSKの価値創造の共有
NSKグループでは、毎年、調達方針説明会を開催し、主要なサプライヤーの皆様に対して調達方針などをご説明するとともに、サプライチェーン全体で歩調を合わせたCSR活動の実践に向けた取り組みの強化を要請しています。

適正取引の推進
下請代金支払遅延等防止法をはじめとする関連法令、日本自動車工業会および日本自動車部品工業会の自主行動計画等、政府や産業界の動向を踏まえて、NSKグループでは調達業務にかかわる者が留意すべき事項に関する解説と、問題視されやすい行為類型に対する対処指針を記載した社内マニュアルを2017年に整備し、その周知徹底を行い、適正取引の実践に努めています。
通報窓口
NSKグループでは、サプライヤーの皆様からのご指摘・ご意見に基づき、早期に問題を把握して是正措置を講じるための通報制度(ホットライン)を設けています。例えば、日本の場合、NSKのCSR本部長と社外の弁護士の2ヵ所をホットラインの窓口とし、サプライヤーの皆様が不利益を被ることなく、安心して制度を利用できるように配慮しています。また、リーフレットを配布し、通報制度の周知に努めています。
サプライチェーンのリスクの特定と管理
サプライチェーンのリスク管理
NSKグループは、サプライヤーの皆様に「NSKサプライヤーCSRガイドライン」や「NSKグループ グリーン調達基準書」に対する理解と賛同をいただくとともに、取引基本契約書にESG(E:環境、S:社会、G:ガバナンス)に関する条項を盛り込んでリスク管理を強化しています。調達金額や調達ボリューム、調達部品の重要性、代替可能性、環境負荷物質や紛争鉱物の含有懸念、地震や風水害などの被災の影響等を考慮の上、NSKのサプライチェーンにおける各サプライヤーのリスクを判断しています。
リスクが大きいと予想されるサプライヤーを重要管理対象に位置づけ、財務状態のチェックやCSR診断(自主点検)などを通してリスク評価を行い、対象のサプライヤーおよび設計、工場部門等社内関連部署とも連携してリスク低減に向けて必要な施策を実施します。また、新規取引開始時に実施する審査では、経営体質、環境や労働を含む法令違反の有無、品質管理や環境管理の状況などを確認しリスク回避に努めています。
サプライヤーCSR診断
NSKグループでは、サプライヤーの皆様に対してCSR診断(自主点検)を要請し、活動実態のモニタリングを実施(隔年実施)するとともに、その評価結果をサプライヤーの皆様にフィードバックしています。
人権尊重(関連サイト)サプライチェーンBCPの実効性の強化(日本)
災害などの発生時に、サプライヤーの被災状況や問題をすばやく把握し、サプライヤーと連携して必要な対策が的確に取れる体制の構築に取り組んでいます。有事の際の連絡に用いる「サプライヤー安否確認システム」を適切に活用できるよう、定期的に訓練を実施しています。また、サプライチェーンのリスクマネジメントを強化するため、主要サプライヤーにBCPの策定を要請し、その取り組み状況を確認しています。