安全・健康・働き方(いきいきと働き続ける職場づくり)
健康経営
◆健康経営の推進
企業理念を実現し、社会課題解決への貢献と持続的成長を両立していくために、経営戦略と連動した人材戦略のもと、「人的資本の価値最大化」を掲げ、3つの姿の実現を目指しています。
その目指す姿の1つが「安全で健全な職場」です。従業員とその家族一人ひとりのこころとからだの健康が活力ある職場には不可欠であり、その健康への投資が企業価値の向上につながると考えています。
健康経営の推進にあたり、トップによる「NSK健康経営宣言」「NSK健康マネジメント基本方針」を定め、全社的な健康マネジメント推進体制を整え、健康経営戦略マップで課題、目標、期待する効果(プレゼンティーイズム・アブセンティーイズムの改善、エンゲージメントの最大化)の関係を明確にしています。また、健康課題と具体的な取り組みを「NSK健康取り組み3本柱」として掲げ、活動を展開しています。
◆トップメッセージ
NSK健康経営宣言:NSKらしい健康づくりの推進
当社は、企業理念を実現し、社会から必要・信頼される企業であり続けるために、従業員とその家族の健康をすべての基盤と考えています。多様な人材が個性を発揮し、成長し、いきいきと働き続ける安全で健全な職場づくりを推進することを宣言します。
NSK健康マネジメント基本方針
- マネジメント:従業員のウェルビーイングと企業の持続的成長を目指し、健康経営を重要な投資と位置づけ、人的資本の価値最大化を図ります
- 従業員:従業員の自律的な健康への取り組みを支援します
- 環境整備:職場の物理的、心理的な安全性を高め、安心して能力を最大限に発揮できる職場環境をつくります

取締役 代表執行役社長・CEO 市井 明俊
◆健康マネジメント推進体制(日本)
社長を健康経営の総括責任者とし、健康経営推進室、健康推進室、本社および各事業所の人事総務部門・産業保健スタッフ、健康保険組合、労働組合など、関係部署が連携して、健康保持・増進の活動を進めています。また、健康推進活動の推進力強化を目的として、2019 年4月より人事総務本部内に健康経営推進室を設置しました。各事業所の産業医は健康経営推進室所属とし、保健師・看護師は健康経営推進室兼務として、より連携が進めやすい体制としました。健康経営推進室は、健康保険組合とは定期的なコラボ会議、労働組合とは中央安全衛生協議会や安全衛生委員会などで、定期的な情報共有や協議を行い、連携を図っています。今後も、中央安全衛生協議会*を母体とする健康推進会議や産業保健スタッフ会議などを通じ、継続的な改善ができる体制づくりを行っていきます。

◆健康経営の目標・KGI及びNSK健康経営戦略マップ(2025年9月更新)
NSKでは、健康経営の目標を「従業員一人ひとりの気力・体力を維持し、やりがいを向上させる」こととしています。この目標を達成するため、エンゲージメント調査にて計測しているエンゲージメントヘルス指標(EHI)を健康経営の KGIとして設定しています。
また、健康経営の目的や効果を明確にし、取り組みを一層強化するために、「NSK健康経営戦略マップ」として表現しました。なお、当戦略マップは、健康経営優良法人認定事務局による健康経営ガイドブックを参考に、当社が重点としている施策や考え方を中心に整理したものです。
【NSK健康経営戦略マップ】
◆健康取り組みの具体的な内容(日本)
<からだの健康:疾病未然防止、有所見者支援による重症化防止>
従業員一人ひとりがいきいきと働くためには、疾病の予防・早期発見が重要です。日本精工健康保険組合と協業で、従業員と家族の健康維持・増進に取り組んでいます。
《主な取り組み》(日本精工健康保険組合の取り組みを含む)
- 定期健康診断、有所見者への受診勧奨
- 特定健診、特定保健指導、メタボリックシンドローム予防
- 特定業務従事者の健康診断
- 各種法定外健診:胃検診、大腸がん検診、乳がん検診など
- 感染症予防、季節性インフルエンザの予防接種の費用補助
- ロコモ度テストによるロコモティブシンドローム予防
- 各種郵送検査キットを活用した健康支援
- 各種健康相談、健康指導
- 女性の健康に関する相談窓口
- 休職からの復職支援
- ウォーキングイベント
- 過重労働対策
- 教育、啓発活動
- スポーツクラブとの提携
取り組みの指標
<こころの健康:メンタルヘルス対策による不調者の削減>
健康的な職場文化で、従業員の個人の成長と満足感を実感するためには、こころの健康が大切です。NSKでは、悩んだり不調になった時に、気軽に相談できる風土づくりを進めます。
《主な取り組み》(日本精工健康保険組合の取り組みを含む)
- 相談窓口:産業医、保健スタッフ、人事、外部のカウンセラー等による相談
- 従業員支援プログラム (EAP=Employee Assistance Program): メンタル面から従業員を支援するプログラム
- ストレスチェック、その後の職場説明会
- 管理者向け啓発:ラインケア研修
- 従業員向け啓発:セルフケア研修
- 不調者支援
- 休職からの復職支援
- 教育、啓発活動
取り組みの指標
<せいかつ:受動喫煙防止・喫煙率の低減>
喫煙は、がんをはじめとする様々な疾患の発症リスクとなると言われており、受動喫煙の防止と、禁煙に取り組む従業員の支援に力を入れています。
《主な取り組み》(日本精工健康保険組合の取り組みを含む)
- 受動喫煙防止:喫煙スペースの屋外化、設置場所の集約
- 禁煙の推進:禁煙推奨デー、喫煙時間の制限
- 禁煙卒煙プログラムの提供
- ペアで禁煙に取り組む「スワンスワン二人三脚チャレンジ」
取り組みの指標
◆NSKらしい健康づくり
NSKでは、社員が自律的に楽しみながら健康づくりに取り組むことが、より良い人生に繋がると考えています。このため、単なる健康の知識の普及だけでなく、組織内でのコミュニケーションや仲間づくりを促進する仕掛けを取り入れています。また、健康経営担当だけでなく他組織とのコラボレーションを通じて、社員が健康に対する気づきや学びを得る機会を増やし、その興味の幅を広げています。さらに、マネジメント層がイベントのオーナーとして関与し、応援団として活動の活性化を図っています。
取り組みの一部は以下からご確認ください。
安全・安心・快適な職場づくり(働き方改革)
NSKグループは、従業員の安全を守り、仕事と生活を心から楽しみ、いきいきと活動できる状態が、事業活動をより良いものにしていくと考えています。生産性向上による効率的な働き方が仕事の質を向上させ、従業員の仕事と生活をより充実したものにすると考え、勤務時間管理の徹底や有給休暇取得の推進、ライフスタイルに応じた働き方の選択肢を増やすことなどに取り組んでいます。同時に、働き方改革を通して、従業員の意識改革を行い、働きがいのある職場づくりを進めています。
◆勤務時間管理の徹底・有給休暇の取得推進(日本)
NSKでは、メリハリをつけて生産性高く、効率良く働くことで、仕事の質をより向上させることができると考え、客観的な記録に基づいた勤務時間管理の徹底や有給休暇取得の推進、フレックスタイムの導入などに取り組んでいます。特に、有給休暇取得の推進に関しては、労使で付与日数の完全消化を目指し、呼びかけを行っています。また、管理、営業および技術部門では、在宅勤務(リモートワーク)を働き方の選択肢として活用しています。
《主な取り組み》
- リモートワーク勤務制度
- フレックスタイム
- 裁量労働制度
- タイムレコーダーなどの客観的な記録を活⽤した労働時間の把握、適切な運用
- 労使協働の時間管理の推進
- 有給休暇取得の推進(管理職を含む)
- ノー残業デー
など
◆⼼⾝のリフレッシュや社会的な活動を⽀援する制度
従業員の⼼⾝がリフレッシュされた状態にあることが、業務の⽣産性や効率を⾼めることにつながります。また、従業員が社会とのつながりの中で成⻑していくことを目的とし、社会的な活動を⽀援する制度も整備しています。
《主な取り組み》
リフレッシュ休暇
自己啓発と⼼⾝をリフレッシュする機会を設けるため、勤続5年経過後5年ごとに休暇を最⼤5日間連続して取得できる制度
ボランティア休暇
地域社会・社会環境などを取り巻く問題とかかわりあい社会に貢献をすることを目的として、非営利団体で⾝体障害者福祉、国際交流⽀援などの活動を⾏うために年間最⼤12日間の特別有給休暇を取得できる制度
など
◆生涯設計学習プログラム
NSKでは、豊かで充実したセカンドライフを実現するために、⽣きがいや健康維持、家計などの⽣涯設計について考える機会を提供しています。年⾦や雇⽤保険、税金などについて学ぶ研修やセミナーなどを開催し、多くの従業員が参加しています。
仕事と生活の両立(ワークライフバランス)
◆ライフステージに応じた両立支援の考え方(日本)
多様化する従業員のニーズに対応し、「社員一人ひとりが働きがいをもって働ける職場環境づくり」を進めています。仕事と家庭生活の両立のため、NSKは従来より法定を上回る育児・介護の両立支援制度を整え支援してきました。ただし、両立支援の考え方として、「手厚いケア」だけでなく、「能力を発揮できる環境の整備」という視点に基づいた施策を重視しています。
◆仕事と育児の両立支援(日本)
NSKの育児支援の取り組みが認められ、厚生労働大臣より「プラチナくるみん※」の認定を受けています。

※プラチナくるみん:『子育てサポート企業』として厚生労働大臣からくるみん認定を与えられた企業の内、より高い水準の取り組みを行い、一定の要件を満たした企業に対して与えられる特例認定
NSKは、次世代育成支援対策推進法に定められる行動計画を策定しています。
出産・育児に関係する主な両立支援制度

《その他主な取り組み》
- 産前面談
- 復職面談
- 復職支援セミナー
- キャリア支援
- 自己啓発の機会の提供(通信教育)
- リモートワーク勤務制度
- マタニティユニフォーム貸与
- 仕事と育児の両立支援ガイドブック
- 妊娠中専用更衣室
- 祝日保育
- 提携保育園
- ベビーシッター補助券の交付
- 出産祝い金(会社および労働組合から)
出産・育児に関係する主な両立支援制度(法定との比較)※
制度 | 内容 |
---|---|
産前産後休暇 | 法定では、産前6週・産後8週は無給であるが、NSKでは給与の一部を支給。 |
パートナー出産休暇 | NSK独自として、パートナー出産日より14日以内で2日間取得可能。(有給) |
出生時育児休業(産後パパ育休) | 出生日または予定日のいずれか遅い方から8週間以内に4週間(28日)まで取得可能。(最初の5日間有給) |
育児休業 | 法定の休業期間は、最長2歳まで延長可能だが、NSKでは最大3歳の4月末まで取得可能。 (出生時育児休業を取得していない場合、最初の5日間有給) |
体調不良時休息 (妊娠中または出産後の症状に対応する休暇等の措置) | 法定では、産後1年まで無給で取得できるが、NSKでは有給で取得可能。 |
勤務時間内通院 | 法定では、産後1年まで無給で取得できるが、NSKでは有給で取得可能。 |
半日休暇の活用 | NSK独自として、通常年12回までのところ、通院、子の看護および育児目的のその他必要性を認められる場合は無制限で取得可能。(有給) |
積立休暇の活用 | NSK独自として、小学6年生までの子を持つ社員について取得可能。(有給) |
※産後8週間までは会社が給与の一部を支給するとともに日本精工健康保険組合から賃金の3分の2に相当する出産手当金が支給されます。また、育児休業制度においては最初の5日間の給与を会社が支給します。さらに、6日目以降は子供が1歳2カ月に到達するまで国から育児休業給付金が支給されるため、法定の制度と合わせ途切れのない経済的支援制度となっています。
◆仕事と介護の両立支援(日本)
仕事と介護の両立支援施策では、両立に関する悩みを相談できる環境づくりを目的として各施策を進めています。
休暇・休業に関する制度(法定との比較)
制度 | 内容 |
---|---|
介護休暇 | 対象家族1人につき、年5日、2人以上の場合は年10日取得可能 |
介護休業 | 法定では、対象家族1人につき93日までだが、NSKでは対象家族1人につき、通算186日(※)まで取得可能。 (※…特別な事情によりやむを得ない場合に限り、最大365日まで延長可能。) |
半日休暇の活用 | NSK独自として、通常年12回までのところ、介護の目的の場合は無制限で取得可能。(有給) |
積立休暇の活用 | NSK独自として、介護の目的のために必要日数取得可能。(有給) |
- 仕事と介護の両立支援セミナーの実施
(NSKの主な介護セミナーコース)

- 介護見舞金の支給(NSKオリジナル)
- 介護休業給付金の支給
- 所定外労働の免除
- 時間外労働の制限
- 介護勤務時間短縮(事情により3年~延長可)
- 深夜業の制限
- 両立支援ガイドブックの発行
- 従業員向け介護メルマガ発行
- 仕事と介護の両立のための資料集作成
◆仕事と治療の両立支援(日本)
仕事と治療の両立支援施策では、治療や通院をしながら仕事との両立をし、自分らしく働き続けられるために、各施策を進めています。
《主な取り組み》
- 仕事と治療の両立の社内説明会
- 治療との両立ガイドブック
- 復帰支援プログラム
- 啓発活動:男女の更年期セミナー、ハラスメント防止
さらに、女性特有の健康課題について、啓発活動、相談 に力を入れています。
《主な取り組み》
- 啓発活動:研修、説明会などで、生理痛、妊娠期、更年期(男女)など
- 相談:女性の健康問題についていつでも医師へ相談できる産婦人科オンライン相談
- その他:両立支援の中で、産後ブルーの啓発、不妊治療との両立ガイドブックの中でも、妊娠前の若いうちからの健康づくり(プレコンセプションケア)などを啓発