NSKが誇る高精度な機械部品でくり返し見たくなる「魔法感のある動き」をつくれ! エンジニアの挑戦
NSKが掲げるビジョン「あたらしい動きをつくる。」
NSKは2020年から、自社の製品や技術力を使った機構で「あたらしい動き」を表現する企業広告シリーズ「___ with MOTION & CONTROL」を制作しています。2023年には、最新作「Bouncing」篇を公開しました。生き生きと「はずむ」「跳ねる」ボールを支える高精度なNSK製品や、動画に込めた想いについて、参加した8名のエンジニアに話を聞きました。
プロフィール
![藤本 岳](/adobe/dynamicmedia/deliver/dm-aid--eee6d6e5-eba2-48ea-bce7-e1a27f4e31e1/image-0126-01.jpg?quality=85&preferwebp=true)
藤本 岳
産業機械技術総合開発センター
産機新商品開発室
![金子 優香](/adobe/dynamicmedia/deliver/dm-aid--b8c73e4e-efbe-48d8-9d0a-2f3f4ebe1bf5/image-0126-02.jpg?quality=85&preferwebp=true)
金子 優香
デジタルツイン推進室
![北爪 徹也](/adobe/dynamicmedia/deliver/dm-aid--f2bc1b13-f49e-478f-b0fe-a9303b014f8d/image-0126-03.jpg?quality=85&preferwebp=true)
北爪 徹也
NSKステアリング&コントロール株式会社
ステアリング技術センター
システム設計部 システム設計室
副主務
![齋藤 澄知](/adobe/dynamicmedia/deliver/dm-aid--d1f84ef5-4f7f-4444-a07f-628b0a44aefb/image-0126-04.jpg?quality=85&preferwebp=true)
齋藤 澄知
産業機械技術総合開発センター
産業機械軸受技術センター
産機・GAM技術部
副主務
![髙田 綾](/adobe/dynamicmedia/deliver/dm-aid--50c867f0-810c-42a9-ab5a-b46cee60c53b/image-0126-05.jpg?quality=85&preferwebp=true)
髙田 綾
生産技術センター
成形技術開発部
![藤田 雅彦](/adobe/dynamicmedia/deliver/dm-aid--77bb1a93-d8e1-44b3-b652-10a7139451b5/image-0126-06.jpg?quality=85&preferwebp=true)
藤田 雅彦
NSKステアリング&コントロール株式会社
ステアリング技術センター
技術開発部 技術開発室
![松岸 俊太朗](/adobe/dynamicmedia/deliver/dm-aid--05934f76-53e5-4fbe-9a2d-6f82e6833b0b/image-0126-07.jpg?quality=85&preferwebp=true)
松岸 俊太朗
自動車技術総合開発センター
自動車軸受技術センター
評価実験室
副主務
![柳澤 穂波](/adobe/dynamicmedia/deliver/dm-aid--838ea2b1-33ac-4300-8908-a99b5e3d6fa2/image-0126-08.jpg?quality=85&preferwebp=true)
柳澤 穂波
コア技術研究開発センター
第三研究開発室
ポイントは「技術力・持久力・明快さ」
松岸 普段の仕事では、お客様が求める仕様を数値に落とし込むことで、部品そのものではなく「信頼できる性能」を納品していると考えています。一方、今回のプロジェクトは、見た人の心に驚きや感動を生むためにはどういった「動き」を創るべきか? と自分たちで考え、動画の軸を定義することからスタートしました。NSKが普段目指している、性能や品質の面でお客様に信頼され、選ばれることとは全く違ったアプローチのプロジェクトです。
髙田 今年の動画で実現すべき指針として、広告のターゲットや昨年までの反省、NSKが伝えたいことを踏まえて決めたのは「技術力・持久力・明快さ」という3つのポイントです。
ポイント
- 技術力:精緻にコントロールされた動きの見え方
- 持久力:何度でも見られる魔法感のある動き
- 明快さ:複雑過ぎず・簡単過ぎず
![松岸 俊太朗](/adobe/dynamicmedia/deliver/dm-aid--b207208c-feca-42ef-920c-634bd186fa66/image-0126-09.jpg?quality=85&preferwebp=true)
![動画の指針となる3つのポイントと、そこから生まれた無数のアイデア](/adobe/dynamicmedia/deliver/dm-aid--a1f0373e-1adb-485b-87af-3cd7ee95fb7f/image-0126-10.jpg?quality=85&preferwebp=true)
動画の指針となる3つのポイントと、そこから生まれた無数のアイデア
![髙田 綾](/adobe/dynamicmedia/deliver/dm-aid--2e55f76b-b0da-4699-96eb-051ac7893574/image-0126-11.jpg?quality=85&preferwebp=true)
髙田 エンジニア同士の議論では「技術的な面白さ」を追求しすぎてしまうことがよくあります。たくさんのアイデアが出た中でも、毎週この3つのポイントに立ち返りながら議論を進めたおかげで、最初の目的からぶれずに完成させることができたと思います。
動画を支える高精度な製品と早く雑に作るプロトタイプ
藤本 今回採用されたのは玉を「飛ばす」という、立体的でチャレンジングな動きでした。この動きを生み出すために使ったのは、NSKの「モノキャリア」という製品です。モノキャリアは直動アクチュエータと呼ばれる部品の一種で、モータなどの回転の動きを直動(まっすぐの動き)に変換します。
![藤本 岳](/adobe/dynamicmedia/deliver/dm-aid--36c49f72-a6c7-43b9-abff-26df6ba68d64/image-0126-14.jpg?quality=85&preferwebp=true)
藤本 モノキャリアの優れているポイントは、高速で動く応答性と、狙った位置にぴたりと誤差なく合わせる位置決めの精度。動画の撮影では、あちこち飛び回るボールに追いつける速さと、ボールを正確に跳ね返す位置を何度でも再現できる高精度を発揮しました。
ボールの動きだけでなく、機構を構成する一つ一つの部品にもぜひ注目してほしいですね。
機構の動きにフォーカスしたロングバージョン(60秒)の動画はこちら
藤田 動画で飛び跳ねているボールは軽くて硬いセラミック製で、NSKのベアリングにも使われているものです。
![セラミックボール](/adobe/dynamicmedia/deliver/dm-aid--488e613e-9245-4d3e-8a95-5ad75c1d3efe/image-0126-15.jpg?quality=85&preferwebp=true)
セラミックボール
世界で一番真球に近いといわれているベアリングのボールだからこそ、いつも同じ跳ね方を再現できました
藤田 ボールと反射板の素材の組み合わせは無数にあり、どんな条件で一番よく跳ねるのか、そしてどんな跳ね方が一番美しいのか? など、確認すべきポイントはたくさんありました。協業したTakramさん・Siroさんと毎週さまざまなプロトタイプや実験の結果を持ち寄って議論を進めたおかげで、早い段階で「玉を飛ばす」の実現可能性が見えてきたと思います。
柳澤 プロトタイプの打ち合わせでよく言われていたのは「早く雑に作る」というワード。「雑」という言葉にはマイナスのイメージがありますが、アイデアを机上で議論し続けるよりも、クオリティにとらわれずに一度カタチにしてみることで、実現可能性や改善すべき点が非常にクリアになるんです。その考え方に刺激を受けて、私も「玉の集団行動」というアイデアを早く雑にシミュレーションしました。こういったプロトタイプの積み重ねが、最終的な動画の精緻さや「魔法感」につながっています。
![藤田 雅彦](/adobe/dynamicmedia/deliver/dm-aid--1b41a7bc-80ea-423a-8b92-cd60a5b3c1b0/image-0126-16.jpg?quality=85&preferwebp=true)
![Unityによる「玉が空中でぶつからずに交差するイメージ」のシミュレーション](/adobe/dynamicmedia/deliver/dm-aid--c3677d1a-168d-45fe-a90b-aacc5feb13f1/image-0126-17.jpg?quality=85&preferwebp=true)
Unityによる「玉が空中でぶつからずに交差するイメージ」のシミュレーション
北爪 私も職場にある鋼球や鋼材で実験して撮った動画を打ち合わせに持ち込みました。そこで出たのは「玉の動きがかわいい!」という意見です。
![複数の鋼球をばね鋼の上で跳ねさせる実験](/adobe/dynamicmedia/deliver/dm-aid--219739a7-612e-4036-9c9e-290c429a25d6/image-0126-18.jpg?quality=85&preferwebp=true)
複数の鋼球をばね鋼の上で跳ねさせる実験
北爪 打ち合わせでは、「かわいい」動きとは何なのか? とかわいさ・かわいくなさを分析していきました。「かわいい」というのはとても直感的な言葉ですが、直感を言葉に、カタチにしていくことにも論理的な思考が伴っている、と気づかされました。
![北爪 徹也](/adobe/dynamicmedia/deliver/dm-aid--0e0ff91c-8d38-433c-b40a-eee351f25877/image-0126-19.jpg?quality=85&preferwebp=true)
誰が見ても「すごい!」と感じてもらえる動画に
金子 この機構やボールの動きは、精密な部品や高い技術力があって初めて成立するものです。エンジニアの方がこの動画を見たら、一目ですごさに気づいてもらえると思います。そのぶん、動画が「理系の内輪受けの面白さ」になっていないか、どんな人にも「すごい!」と感じてもらえるかという部分は、最後まで不安もありながら進めていました。
![金子 優香](/adobe/dynamicmedia/deliver/dm-aid--d0d82be9-f431-4cd9-a342-5511903d248a/image-0126-20.jpg?quality=85&preferwebp=true)
![柳澤 穂波](/adobe/dynamicmedia/deliver/dm-aid--8033c25e-e33d-4b95-99a5-af021ecd7352/image-0126-21.jpg?quality=85&preferwebp=true)
柳澤 完成した動画をSNSで共有したら、「NSKの技術力、スゲー!」とコメントをもらえて嬉しかったです。NSKの企業広告は、動きの完成度が高すぎてCGと誤解されてしまうことがありますが、今年はメイキング動画も配信しているのでぜひ見てほしいです。撮影の裏側ってワクワクしますよね。現場の温度感が味わえて、とても気に入っています!
メイキングを中心にした、7本のショートムービーはこちらから
多様な人材にNSKを知ってもらうきっかけに
齋藤 NSKは機械系の分野に携わる方にはなじみのある会社ですが、それ以外の方からの知名度は高くありません。まずは社名を知ってもらわないと、就職や転職のときの候補にも上がってきません。多様な人材獲得の上で、例えばDX人材や、理系以外の人にもアプローチするために、こういった広告で若い方に知っていただくことは重要だと考えています。
髙田 私は転職活動をしているとき、「___ with Motion & Control Connecting」篇の動画を見ました。
![齋藤 澄知](/adobe/dynamicmedia/deliver/dm-aid--730bc0b7-4d4b-4850-ac30-95db11c2d49f/image-0126-22.jpg?quality=85&preferwebp=true)
NSKは昔ながらの堅い会社というイメージがありました。でもこの動画で感じたのは、エンジニアが全力で「あたらしい動きをつくる。」に挑戦するというNSKの会社としての姿勢、メッセージです。そこに感銘を受けて、志望度がぐっと高まりました。
松岸 いずれは、Bouncing篇の動画をきっかけにNSKに入社したという人にお会いできたらすごく嬉しいですね!