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NSK開催の子ども向けワークショップ ものづくりを楽しみながら、回転と「不思議な力」を学ぼう

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NSKは、子どもたちが回転や摩擦について学ぶワークショップを定期的に開催しています。ワークショップのテーマは「ベアリングを使った不思議な力を感じるキットをつくろう」。会場には事前に予約した約20名の子どもたちが集まりました。

◆キットを作り、考えながら「不思議な力」を学ぶ

ワークショップは、先生役スタッフの「両手をあわせてこすると、温かくなるのはどうしてだろう?」という問いかけからスタート。手と手の間に生まれる、身近に感じることができる摩擦の力から始まり、摩擦について学び、体感し、考えるのが、このワークショップの目的です。

ワークショップ開始を告げる先生役のスタッフの様子

まず登場したのが、回転と摩擦を学習するためNSKが開発した『トライボベアリングキット1号』。キットの中心に重りのついた軸が入っていて、それを回すことで回転と摩擦の関係がわかる仕組みです。

トライボベアリングキット1号の写真

糸を引っ張ると勢いよく軸が回り始め、発生したジャイロ効果によって本体が「不思議な力」を帯びるようになります。子どもたちも、キットを手のひらに乗せたり、持ってぐるぐると回してみたりと、体験したことのない力に興味津々の様子でした。

キットを手にする子どもの写真

続いて、このキット1号を子どもたちが自分で組み立てました。スタッフのサポートを受けながら、試行錯誤しながら、型抜きされた材料を自分で張り合わせて組み立てて作るキットでようやくキットは完成したものの……なぜだか、先ほどスタッフが実演したときのように軸が勢いよく回転しません。

キットを手にする子どもの写真

実は、子どもたちに配布したキット1号にはちょっとした仕掛けが。

スタッフが事前に作成したキット1号は、回転する軸を支えるパーツとしてNSK製のベアリングがセットされていました。しかし、子どもたちに配布したキットには、ベアリングではなくスチレンボード製のパーツが使われているためです。軸が勢いよく回転しないのは、軸とベアリングの代わりに入っている軸を支えるパーツの間で強い摩擦が発生してしまったため。

「さっきの1号と、みんなの1号はどこが違うのかな?」という問いかけに、「重りの部分!」や「軸が違う!」と答える子どもたち。目の付け所は鋭いものの、なかなか答えにはたどり着きません。

◆昔の人は、重いものをどうやって運んでいたんだろう?

スタッフの質問に手を上げる子どもの写真

ベアリングの種明かしをする前に、スタッフからもう一つの質問が。「昔の人は、どうやって重いものを運んでいたでしょうか?」--その説明のために登場したのが、同じくNSK制作の『トライボベアリングキット2号』です。

トライボベアリングキット2号に乗る子供の写真

子ども1人が乗れるサイズの箱の下に小さな球を並べたレールが敷かれているだけの、シンプルな構造のキット2号。球があることによって、重たいものがスムーズに運ばれていく様子がわかる仕組みです。

トライボベアリングキット2号に乗る子供の写真

人が乗った箱がスムーズにレールの上を滑っていく様子を見て、子どもたちからは「おぉ~」という声が。回転と摩擦の関係を理解したところで、ようやくキット1号の仕掛けを種明かし。

◆ベアリングが生み出す、よりよい未来って?

配られたベアリングを手にする子どもの写真

スタッフからベアリングが配られるやいなや、すぐに袋から取り出して触り始める子どもたち。触って回しながら、「ハンドスピナーみたい!」という感想も聞こえてきます。

ベアリングをセットした力を体験する子どもの写真

自分で作ったキット1号にベアリングをセットして、改めて「不思議な力」を体験。感想を聞いたところ、子どもたちは「外側に行くような感じ」「下に引っ張られるみたい」と、それぞれの言葉で自分の「不思議な力」の体験を教えてくれます。

作って体験するだけではなく、感じたことを自分の言葉にすること。思ったことや気持ちを言葉にすることで、同じ経験をしているはずなのに、感じていることが皆それぞれ違っていることがわかります。

ワークシートの写真

ここで、スタッフから子どもたちへ最後の問いかけです。「ベアリングが生み出す、よりよい未来について考えてみよう!」という難しい質問に対し、子どもたちはどんな未来を想像するのでしょうか?

質問に答える子どもの写真

さっそく手を挙げた子どもに聞いてみると、「お皿の下にベアリングをつけて、皿回しのときにもっとよく回るようにする」や「教室の床につけて、先生が来たときにすぐ逃げられるようにする」といった意見がちらほら。

中には、「火力発電所に使って、少ない燃料でたくさん発電できるようにする」といった発言まで、さまざまな夢が膨らみます。

スタッフと会話する子どもの写真

スタッフからは、すでに発電所では使われていることを伝えてから「でも、ベアリングの性能がもっと良くなれば、少ない力でよりたくさん発電できるようになるかもね」といった受け応えがされていました。

本物のベアリングを手に取る子どもたちの写真

参加した子どもたちと先生、全員で「私たちの未来」について考えながら、ワークショップは終了しました。ワークショップの終了後には、NSKが製造している本物のベアリングに触ってみるチャンスも。大小様々のベアリングを実際に手に取って、回してみたり……。ベアリングについて、まだまだ知りたいことがたくさんある様子でした。

ワークショップのブースの写真

回転と摩擦、そしてベアリングの力を学ぶワークショップ。子どもたち自身が手を動かしながらキットを組み立て、自分が経験したことを言葉にして、皆とシェアする。NSKはそんな体験の場を、全国各地で提供しています。

夏休み子供体験プログラム「ベアリングを使った不思議な力を感じるキットをつくろう」を実施