低発塵・除染対応アクチュエータを開発

~業界初 再生・細胞医療業界を中心とした製造機器、細胞調製装置など無菌環境が求められる製造現場の自動化に貢献~

  • NSK独自の表面処理技術と新開発グリースにより低発塵・耐除染、且つ低トルク化を実現
  • 従来、製造機器メーカーが実施している低発塵・耐除染の性能評価試験の負担を軽減
  • 再生・細胞医療業界をはじめ無菌環境が求められる製造現場の自動化に貢献

日本精工株式会社(本社:東京都品川区、代表者:取締役 代表執行役社長・CEO 市井 明俊、以下NSK)は、再生・細胞医療業界を中心とした製造機器向けアクチュエータを開発しました。これは、軸受や直動部品(ボールねじなど)の要素部品を組み合わせた搬送装置であり、業界で初めて*1低発塵・耐除染の両性能を備えました。従来、製造機器メーカーが実施している評価試験の負担を軽減することで、無菌環境が求められる幅広い製造現場の自動化に貢献します。本製品は、2023年11月29日(水)~12月2日(土)に東京ビッグサイトで開催される「2023国際ロボット展」に出展予定です。

*1 NSK調べ


本開発品の外観と断面図
本開発品の外観と断面図

開発の背景

再生医療業界は、これまで根治が難しかった疾患を治療しうる技術として世界的に大きな期待を寄せられ、市場も急速に拡大しています。しかし現状では手作業に依存した製造プロセスが主流であり、機械化・自動化が求められています。

再生医療の現場では、異物混入を避けるために無菌環境が求められるため、その現場で使われる機器の製造段階においては低発塵*2・耐除染*3の性能を持つ要素部品が不可欠です。しかし、既存の要素部品ではこの2つの性能を保証するものがないため、機器メーカーでは要素部品の採用判断にあたり、評価試験を実施するという負担が発生しています。

  • *2 低発塵性能:粉塵が発生しにくい性能のこと。
  • *3 ハイレベルの塵埃管理が求められる現場では、機器のメンテナンス時に、腐食性を有する過酸化水素水で洗浄する「除染」を実施。耐除染とは、除染を実施してもダメージを受けにくい性能を指す。

本開発品の特長

1. 低発塵・耐除染:
  • 無菌製造環境(ISO規格:class5)下での使用が可能。
  • 従来、製造機器メーカーが実施していた導入前評価試験のコストと時間を削減。

本開発品の低発塵性能
本開発品の低発塵性能

本開発品の耐除染性能
本開発品の耐除染性能
2. 低トルク:
  • 低発塵と低トルクを両立、他社品に対して70%のトルク値を低減。

省エネルギー、省スペースを実現。


低トルク
低トルク

本開発品の技術

NSKのコアテクノロジーを活用した以下2つの技術により、本製品を実現しました。

1. フッ化低温クロムメッキ(表面処理技術)

NSKの特殊環境対応製品(スペーシア製品)の製品開発ノウハウを活用し、耐除染を実現。

2. 新開発のグリース

NSKのトライボロジー技術を活用し、従来では両立が難しかった低発塵と低トルクを実現。

飛散量が少ないフッ素系グリースを開発し、低発塵性を高めました。また、グリース組成の最適化により、低トルクも実現しました。

今後の予定

今後、再生・細胞医療業界向けに展開。導入実績を積み上げ、食品、製紙、電子部品などの他業界へも展開を予定。幅広い業界の機械化・自動化に貢献することを目指します。

NSKについて

NSKは、1916年に日本で最初の軸受(ベアリング)を生産して以来、100年以上にわたり軸受や自動車部品、精機製品などのさまざまな革新的な製品・技術を生み出し、世界の産業の発展を支えてきました。1960年代初頭から海外に進出し、現在では約30ヶ国に拠点を設け、軸受の分野で世界第3位、またボールねじ、電動パワーステアリングなどにおいても世界をリードしています。

企業理念として、MOTION & CONTROL™を通じて円滑で安全な社会に貢献し、地球環境の保全をめざすとともに、グローバルな活動によって、国を越えた人と人の結びつきを強めることを掲げています。2026年に向けてNSKビジョン2026「あたらしい動きをつくる。」を掲げ、世の中の期待に応える価値を協創し、社会への貢献と企業の発展の両立を目指していきます。

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