Press Release

自律走行機能付き搬送アシストロボットのプロジェクトが「令和5年度神奈川県県内産業DXプロジェクト支援事業」に採択

~医療施設でのRX(ロボティクス・トランスフォーメーション)を加速~

  • 搬送アシストロボットに自律走行機能を付加し、薬剤カートの自律搬送を実現
  • 同ロボットにセンシング機能も付加し、病院のフロア情報をリアルタイムで自動収集。収集した情報から病院内をデジタルで可視化し、ロボットに最適な導線を提案するプラットフォームを構築
  • データの自動収集や既存設備の活用により、ロボット導入時に発生するコストや負担を軽減し、医療施設におけるRX普及に貢献

日本精工株式会社(本社:東京都品川区、代表者:取締役 代表執行役社長・CEO 市井 明俊、以下NSK)が開発した自律走行機能付き搬送アシストロボットが「令和5年度神奈川県県内産業DXプロジェクト支援事業」に採択されました。本プロジェクトでは、2023年7月から2024年2月までに神奈川県の医療施設において、薬剤カートの自律走行搬送の検証を行い、2025年3月から、同施設で運用開始予定です。

「RXによる院内搬送ソリューションプロジェクト」概要
「RXによる院内搬送ソリューションプロジェクト」概要

現在、医療業界を取り巻く環境は、医師の働き方改革(2024年)や、労働人口減少問題 (2030年)など、大きな転換点を迎えており、質の高い医療サービスを提供・維持し続けるためには、人手に依存している作業をロボット化し、限られた医療リソースを効率的に活用することが不可欠です。しかし現状では、医療施設ではロボット導入にあたり施設の建て替えやロボットの導線確保などのコストや手間が発生するため、普及が進まないという課題があります。

本プロジェクトでは、NSKが開発した搬送アシストロボット( プレスリリース:神奈川県「令和4年度新型コロナウイルス感染症対策ロボット実装事業」への参加 )に、新たに自律走行機能を付加。このロボットを既存のカートに取り付けることで、最小限の設備で薬剤カートの自律搬送を実現します。また、環境認識センサも搬送アシストロボットに付加し、ロボットが最適な導線で走行するために必要な病院のフロア情報を自動で収集することにより、デジタル上で病院内の人とモノの位置情報を可視化します。医療施設内は、患者の急な容体変化などにより医療器材が頻繁に移動するなど、刻々とモノの配置が変化し、自律走行の難易度が高い環境ですが、このデータ収集により、病院に負担をかけずにデジタルプラットフォームを構築します。このように、本プロジェクトでは、既存のリソースや自動データ収集などを活用することでロボット導入コストを抑え、医療現場のRX普及に貢献します。

今後、搬送アシストロボットを活用したデータビジネスとして、2026年に医療業界におけるロボットプラットフォームの事業化を目指します。

NSKは、中期経営計画MTP2026で「収益を伴う成長」を掲げて、新商品、新事業領域の拡大に取り組んでいます。100年以上培ってきたトライボロジーとデジタルの技術を掛け合わせることで新たな価値を社会に提供し、社会課題解決への貢献と企業としての持続的成長の両立を目指しています。

事業およびプロジェクト詳細

事業名 令和5年度神奈川県県内産業DXプロジェクト支援事業
採択プロジェクト名 RXによる院内搬送ソリューションプロジェクト
メンバー NSK、地方独立行政法人神奈川県立産業技術総合研究所
場所 医療法人 徳洲会 湘南鎌倉総合病院
プロジェクト概要 薬剤カートの自律走行搬送の成立性検証、医療現場での実証事業

院内搬送アシストロボット(ストレッチャーやカートなどの搬送器具の動きをモータ駆動でアシストし、スムーズな発信加減速や小回りを実現する)に、自律走行機能と、環境認識センサを付加。また、環境認識センサから得られた情報より病院内の人とモノの位置の可視化を実施する。

NSKについて

NSKは、1916年に日本で最初の軸受(ベアリング)を生産して以来、100年以上にわたり軸受や自動車部品、精機製品などのさまざまな革新的な製品・技術を生み出し、世界の産業の発展を支えてきました。1960年代初頭から海外に進出し、現在では30ヶ国以上に拠点を設け、軸受の分野で世界第3位、また電動パワーステアリング、ボールねじなどにおいても世界をリードしています。

企業理念として、MOTION & CONTROL™を通じて円滑で安全な社会に貢献し、地球環境の保全をめざすとともに、グローバルな活動によって、国を越えた人と人の結びつきを強めることを掲げています。2026年に向けてNSKビジョン2026「あたらしい動きをつくる。」を掲げ、世の中の期待に応える価値を協創し、社会への貢献と企業の発展の両立を目指していきます。