日本精工株式会社と国立大学法人東京工業大学がトライボロジー技術に関する連携を強化

日本精工株式会社(本社:東京都品川区、代表者:取締役 代表執行役社長・CEO市井明俊、以下NSK) と国立大学法人東京工業大学(本部:東京都目黒区、学長:益 一哉、以下東京工業大学)は、トライボロジー技術に関する研究拠点の設置に向けた協定を締結しました。NSKと東京工業大学は、オープンイノベーションにより、技術革新を進めて社会へのソリューションの提供を強化します。

概要

  • 協働研究拠点設置へ向けた連携協定を締結
  • オープンイノベーションにより技術革新を加速させ、製品機能を高める。
  • NSK研究員および東京工業大学研究員の人材育成につなげる。

背景

NSKは中期経営計画MTP2026に基づき、トライボロジーとデジタル技術の融合による価値創出で持続可能な社会の発展に貢献し、必要・信頼される企業を目指すことを重要課題としています。トライボロジーとは、運動する2つの物体間の接触で生じる現象(潤滑、摩擦、摩耗、焼付きなど)などについて解明する学問を指し、各現象では要素技術(材料、潤滑、力学)が相互に関係しています。

技術革新が急速に進む中、個別の要素技術にフォーカスした研究の深化に加えて、それぞれの要素技術の研究を相互に融合させることで、低摩擦、長寿命などの製品機能向上を加速させます。高機能な軸受製品や直動製品を生み出すことで、例えば自動車の燃費向上や工場の安定稼働など、安全・安心・快適な社会の実現に貢献します。

今後の予定

従来は、NSK単独では解決が困難な研究課題に大学が開発した知見を適用する、限定的な協業に留まっていました。今般、東京工業大学内に協働研究拠点を設けて、両者の強みを掛け合わせて継続的に革新的な技術開発を行なえる体制・研究環境を整えます。また、NSK社員が東京工業大学と共同研究を行なうことで基礎研究の実力向上・蓄積を図り、高度な基礎研究を推進できる人材の育成にも取り組んでいきます。NSKは、グローバルNo1のトライボロジー技術を活かして、社会に革新的な新しい価値を提供し続けていきます。


日本精工
日本精工

東京工業大学
東京工業大学
◇トライボロジーとは:

2つの物体の接触面に発生する各種の現象(接触、摩擦、摩耗、潤滑、疲労、振動など)を解明するとともに、それらを制御するための技術を取り扱う学問。

各現象には材料、潤滑、力学が相互に関係している。

(例)転がり軸受の場合:
  • 固体と固体:転がり接触、すべり接触
  • 固体と液体(転がり軸受の軌道面と転動体の接触している領域に生じる、各抵抗成分(下図):かくはん抵抗、転がり粘性抵抗、すべり摩擦抵抗

(例)転がり軸受の場合

NSKについて

NSKは、1916年に日本で最初の軸受(ベアリング)を生産して以来、100年にわたり軸受や自動車部品、精機製品などのさまざまな革新的な製品・技術を生み出し、世界の産業の発展を支えてきました。1960年代初頭から海外に進出し、現在では31ヶ国に拠点を設け、軸受の分野で世界第3位、また電動パワーステアリング、ボールねじなどにおいても世界をリードしています。

企業理念として、MOTION & CONTROL™を通じて円滑で安全な社会に貢献し、地球環境の保全をめざすとともに、グローバルな活動によって、国を越えた人と人の結びつきを強めることを掲げています。2026年に向けてNSKビジョン2026「あたらしい動きをつくる。」を掲げ、世の中の期待に応える価値を協創し、社会への貢献と企業の発展の両立をめざしていきます。

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