歯科エアタービン用ベアリング「QuickStopBearing™」を開発

~治療効率と安全性の向上~

日本精工株式会社(以下、NSK)は、歯科エアタービン用ベアリング「QuickStopBearing」を開発しました。本製品は、エア駆動の歯科治療器具であるエアタービンに用いられ、治療効率と安全性を向上させます。NSKは本製品の売上として2030年に5億円を目指します。


歯科エアタービン用ベアリング「QuickStopBearing」

開発の背景

エアタービンは、歯を切削する歯科治療器具であり、エア駆動により40万回転もの高速で回転し、治療の際は安全性のため刃先が完全に停止した後に口腔内から取り出すことが求められています。

従来のエアタービンは、エア供給停止後に数秒間の惰性回転があり、この間、口腔内からエアタービンを取り出すことが出来ず、歯科医の治療効率を妨げています。 またエア供給停止時、ヘッド内が負圧になることによりヘッド周辺の口腔内異物(唾液、歯の切削粉、血液など)がヘッド内に吸い込まれるサックバック現象が発生します。これらの対策として、エアタービンのヘッド内にブレーキ構造を設けるなど、回転停止までの時間短縮とサックバック現象を抑制しているケースがあります。ただし、構造が複雑となるため、ヘッドが大きくなることやコストの上昇が課題でした。

本製品の特長

本製品はベアリング内を通過するエアによって開閉する専用のゴムシールを内蔵することで、エアタービンの回転停止までの時間短縮やサックバック防止を実現しました。

エア供給時はゴムシールが浮上し、従来ベアリングと同様に40万回転の高速回転が可能です。

一方、エア供給停止時はゴムシールが瞬時に内輪と接触することにより短時間で惰性回転が停止し、更にベアリング内が密封されるためサックバック現象を防ぐことが可能となります。

なお、これらの機能はベアリングの置き換えだけで実現できます。


本製品の特長

製品の効果

  • 回転停止までの時間短縮により、安全性と治療効率を向上
  • サックバック防止により、院内感染防止とエアタービンの長寿命化を実現
  • ベアリング変更のみで機能向上を実現
  • エアタービンのヘッド部の小型化、コスト抑制(対 ブレーキ構造付エアタービン)

NSKについて

NSKは、1916年に日本で最初の軸受(ベアリング)を生産して以来、100年にわたり軸受や自動車部品、精機製品などのさまざまな革新的な製品・技術を生み出し、世界の産業の発展を支えてきました。1960年代初頭から海外に進出し、現在では31ヶ国に拠点を設け、軸受の分野で世界第3位、また電動パワーステアリング、ボールねじなどにおいても世界をリードしています。

企業理念として、MOTION & CONTROL™を通じて円滑で安全な社会に貢献し、地球環境の保全をめざすとともに、グローバルな活動によって、国を越えた人と人の結びつきを強めることを掲げています。2026年に向けてNSKビジョン2026「あたらしい動きをつくる。」を策定、世の中の期待に応える価値を協創し、社会への貢献と企業の発展の両立を目指していきます。

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