工作機械主軸軸受用 耐焼付き性向上グリース『ロバストガード™(ROBUSTGRD™)』を開発

日本精工株式会社(以下、NSK)は、環境にやさしいグリース潤滑で工作機械の生産性向上と長期安定稼働に貢献する耐焼付き性向上グリース「ロバストガード(ROBUSTGRD)」を開発しました。

本製品は、一般部品および自動車部品の加工機に使用される軸受の耐焼付き性とクーラント環境下での信頼性を高め、オイルエア潤滑に代わり環境にやさしいグリース潤滑の採用拡大を可能にします。NSKは、2023年末より本製品の生産を開始し、2026年までに年間売上40億円を目指します。また、2022年11月8日(火)~11月13日(日)に開催される「JIMTOF2022第31回日本国際工作機械見本市」に本製品を初出展します。


ロバストガード

開発の背景

マシニングセンタに代表される工作機械には、潤滑性に優れるオイルエア潤滑が広く使用されています。しかし、オイルエア潤滑は、大量の圧縮エアを使用し多くの電力を必要とするため、カーボンニュートラルへの対応のため消費電力の削減が求められています。一方、グリース潤滑は、オイルエア潤滑に比べて、圧縮エアを必要としないため、省エネルギーに繋がりますが、信頼性の向上が課題でした。今回、環境にやさしいグリース潤滑による信頼性の確立が期待されていました。

本製品の特長

1. 耐焼付き性

グリースを構成する増ちょう剤、基油、添加剤の最適配合により、当社従来品比5倍(*)の耐焼付き性能を実現しました。

*一般的な使用条件の約3倍の加速試験条件

耐焼付き性
2. クーラント環境下での信頼性

グリース潤滑では、加工の際に使用するクーラント液が軸受に浸入するとその水分により油膜が切れ、潤滑性能に悪影響がでることが懸念されていました。本製品は、クーラントが浸入した際にその水分による悪影響を軽減し油膜を保護します。

クーラント環境下での信頼性

製品の効果

本製品は、耐焼付き性の向上とクーラント環境下における信頼性向上により、グリース潤滑の採用を拡大させ、工作機械の消費電力削減に貢献します。また、グリース潤滑の信頼性が高まることにより、生産性向上と長期安定稼働に貢献します。

NSKについて

NSKは、1916年に日本で最初の軸受(ベアリング)を生産して以来、100年にわたり軸受や自動車部品、精機製品などのさまざまな革新的な製品・技術を生み出し、世界の産業の発展を支えてきました。1960年代初頭から海外に進出し、現在では31ヶ国に拠点を設け、軸受の分野で世界第3位、また電動パワーステアリング、ボールねじなどにおいても世界をリードしています。

企業理念として、MOTION & CONTROL™を通じて円滑で安全な社会に貢献し、地球環境の保全をめざすとともに、グローバルな活動によって、国を越えた人と人の結びつきを強めることを掲げています。2026年に向けてNSKビジョン2026「あたらしい動きをつくる。」を策定、世の中の期待に応える価値を協創し、社会への貢献と企業の発展の両立を目指していきます。

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