Press Release

(社)日本トライボロジー学会から「2021年度日本トライボロジー学会技術賞」受賞

日本精工株式会社(以下、NSK)は、一般社団法人日本トライボロジー学会 *1 より「2021年度日本トライボロジー学会技術賞」を受賞しました。本技術は、転がり軸受(以下、軸受)の構成部品の一つである転動体(鋼球)を強化することで軸受の耐久性を向上するものであり、トライボロジーに関する実用技術として、軸受の性能向上に貢献する業績であることが評価されました。

なお、今回受賞した転動体強化技術は、自動車のトランスミッションや工作機械用軸受などに展開されており、様々な機械の信頼性向上に寄与しています。今後もNSKは、世界トップレベルの技術力によって、安全・快適・環境にやさしい社会の実現、産業の発展、機械の進歩に大きく貢献していきます。

  • *1:(社)日本トライボロジー学会: 1956年にトライボロジー(相対運動しながら互いに影響を及ぼしあう2つの表面の間におこるすべての現象を対象とする科学技術)に関する技術の向上を目的に設立された。
  • 日本トライボロジー学会のウェブサイト New Window
「2021年度日本トライボロジー学会技術賞」受賞
受賞者:左から、小俣弘樹 *2 、橋本翔(代表) *2 、岩永泰弘 *3 、植田徹 *3
  • *2:技術開発本部 コア技術研究開発センター
  • *3:自動車技術総合開発センター 自動車軸受技術センター

受賞内容: 転動体強化による転がり軸受の高機能化技術

近年、カーボンニュートラルの実現に向けて、産業機械の省エネルギー化の要求はますます高まっており、転がり軸受には、さらなる軽量化や低トルク化を実現することで社会ニーズに応えていくことが求められています。このような背景から、転がり軸受に加わる荷重や潤滑状態は一層厳しくなり、転がり疲れによるはく離などの損傷の発生が懸念されます。

NSKでは、転がり疲れに関する継続的な研究から、転動体を強化することによって、軸受そのものの耐久寿命を延長するという新たな強化メカニズムを発見しました。この考え方に基づき、表面に微細な析出物(せきしゅつぶつ)* を分散させることで表面劣化に強い転動体を開発しました。本転動体を用いることで、軸受を高耐久化することが可能となります。

  • * 析出物:鋼の母相とは異なる結晶構造を持つ相。

NSKについて

NSKは、1916年に日本で最初の軸受(ベアリング)を生産して以来、100年にわたり軸受や自動車部品、精機製品などのさまざまな革新的な製品・技術を生み出し、世界の産業の発展を支えてきました。1960年代初頭から海外に進出し、現在では32ヶ国に拠点を設け、軸受の分野で世界第3位、また電動パワーステアリング、ボールねじなどにおいても世界をリードしています。

企業理念として、MOTION & CONTROL™を通じて円滑で安全な社会に貢献し、地球環境の保全をめざすとともに、グローバルな活動によって、国を越えた人と人の結びつきを強めることを掲げています。2026年に向けてNSKビジョン2026「あたらしい動きをつくる。」を掲げ、世の中の期待に応える価値を協創し、社会への貢献と企業の発展の両立を目指していきます。