滑らかな全方向移動を実現する「アクティブキャスタ」を開発

~人とロボットが協働する社会に向けた駆動ユニット~

  • 高度化が期待されるサービスロボットに「あたらしい動き」を提供。
  • 全方向での搬送アシストにも対応。

日本精工株式会社(以下、NSK)は東京理科大学(東京都新宿区)と共同で、全方向への滑らかな移動を実現した「アクティブキャスタ」を開発しました。本開発品は、更にコンパクト化や低振動を実現したほか、扱いやすさも高めています。

NSKは、本開発品を3月9日(水)~3月12日(土)に東京ビッグサイト(東京都江東区)で開催される「2022国際ロボット展(iREX2022)」に参考出展いたします。サービスロボットメーカーや、実際にロボットを使用されるユーザー様に対して提案を開始し、実証試験など販売準備を進めていきます。

アクティブキャスタ

開発の背景

より円滑で豊かな社会の実現に向け、サービスロボットに対する期待は高まっており、市場の成長が期待されています。社会実証による適用事例が出始める一方で、人間との距離が近くなることで、より実用性(多様なシチュエーションに応える機能やサイズ)や柔軟性(人と協調できる細かな・滑らかな動き)を求める声があり、サービスロボットの高度化が期待されています。なかでもサービスロボットが人間の生活空間で共存するには、人間と同様に全方向へ移動できることが求められています。NSKは東京理科大学 和田研究室と共同で全方向への滑らかな移動が可能なアクティブキャスタを開発しました。

開発品の特長

1. 全方向への滑らかな移動とコンパクト化を実現

最終減速機を車輪脇に設ける独自の差動機構によりコンパクトな筐体(きょうたい)に車輪の駆動と操舵の旋回の2つの機能を搭載しました。

駆動と旋回が分かれている一般の構造に比べ、小型のモータを選定できコンパクト化が可能です。


全方向への滑らかな移動とコンパクト化を実現
2. 低振動を実現

全方向移動に広く使用されているメカナムホイールなどはフリーローラが集合しているため車輪に凹凸があり、 走行時に上下方向の振動が発生します。

アクティブキャスタは、メカナムホイールを使用せず、一般の車輪を使用しているため、振動が少なく滑らかな走行が可能です。


低振動を実現
3. 優れた扱いやすさを実現

人が押した力を検知する外力検出機能がキャスタに内蔵されており、重量物を運ぶ台車や、病院内でのベッドなどの運搬の際、持つ場所が限定されず全方向にアシスト機能を作動することが可能です。


優れた扱いやすさを実現

NSKは今後もMotion & Control技術によって、円滑で安全な社会に貢献していきます。

NSKについて

NSKは、1916年に日本で最初の軸受(ベアリング)を生産して以来、100年にわたり軸受や自動車部品、精機製品などのさまざまな革新的な製品・技術を生み出し、世界の産業の発展を支えてきました。1960年代初頭から海外に進出し、現在では30ヶ国に拠点を設け、軸受の分野で世界第3位、また電動パワーステアリング、ボールねじなどにおいても世界をリードしています。

企業理念として、MOTION & CONTROL™を通じて円滑で安全な社会に貢献し、地球環境の保全をめざすとともに、グローバルな活動によって、国を越えた人と人の結びつきを強めることを掲げています。2026年に向けてNSKビジョン2026「あたらしい動きをつくる。」を掲げ、世の中の期待に応える価値を協創し、社会への貢献と企業の発展の両立を目指していきます。

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