工作機械主軸用 高負荷容量・超高速アンギュラ玉軸受『ROBUSTDYNA™(ロバストダイナ™)』を開発

日本精工株式会社(以下、NSK)は、荒加工から仕上げ加工までのワイドレンジ加工に対応可能な軸受を開発しました。NSKは、2021年春より本製品の生産を開始し、2024年までに年間売上30億円を目指します。また、2020年11月16日(月)~11月27日(金)に開催される「JIMTOF2020 Online第30回日本国際工作機械見本市」に本製品を初出展します。

工作機械主軸用 高負荷容量・超高速アンギュラ玉軸受『ROBUSTDYNA™(ロバストダイナ™)』

開発の背景

近年、マシニングセンタに代表される工作機械では、チタン、セラミック、複合材料などの難削材の増加を背景とした重切削化への対応やメンテナンスフリー化による長期安定稼働などの要求が高まっています。この要求に応えるため、高負荷容量化による重切削と高速性の両立が課題となっていました。

新製品の特長

1. 高負荷容量化
大径のボールを採用するなどの内部諸元の最適化により、従来品(*1)に比べ荷重負荷能力を15%高め、寿命(動定格荷重)は最大3倍に延ばしました。これにより、重切削加工が可能になり、加工時間の短縮を実現しました。
*1:従来品は、現行ロバストシリーズのSHX鋼タイプ。
2. 高い耐衝撃性
内部諸元の最適化により、従来品に比べ耐衝撃性能(静定格荷重)を30%高め、衝突(ぶつけ)時の軸受損傷リスクを低減しました。これにより、スピンドルの長期安定稼働に貢献します。
3. 超高速性能
NSK独自の耐熱・耐摩耗性に優れたSHX鋼の採用により従来品同等の超高速性、dmN(*2)300万を実現しました。これにより、重切削化に加えて、高速回転を実現でき、仕上げ加工も可能となります。
*2:dmN:「軸受のピッチ円径(dm)」と「回転数(n)」の積であり、軸受の回転性能を示す指標。

開発品の効果

本製品は、重切削化による加工時間の短縮と高い耐衝撃性を兼ね備え、さらに荒加工から仕上げ加工までのワイドレンジ加工を実現する事で、長期安定稼働と生産性向上に貢献します。

開発品の効果

用途

航空部品/自動車部品向けマシニングセンタなどで、重切削加工やワイドレンジ加工を行う工作機械に最適です。今後も「ROBUSTDYNA(ロバストダイナ)」シリーズとして、製品ラインナップを拡充する予定です。

NSKについて

NSKは、1916年に日本で最初の軸受(ベアリング)を生産して以来、100年にわたり軸受や自動車部品、精機製品などのさまざまな革新的な製品・技術を生み出し、世界の産業の発展を支えてきました。1960年代初頭から海外に進出し、現在では30ヶ国に拠点を設け、軸受の分野で世界第3位、また電動パワーステアリング、ボールねじなどにおいても世界をリードしています。

企業理念として、MOTION & CONTROL™を通じて円滑で安全な社会に貢献し、地球環境の保全をめざすとともに、グローバルな活動によって、国を越えた人と人の結びつきを強めることを掲げています。2026年に向けてNSKビジョン2026「あたらしい動きをつくる。」を掲げ、世の中の期待に応える価値を協創し、社会への貢献と企業の発展の両立を目指していきます。

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