Press Release

フィルム延伸機向け「テンタークリップ用軸受」を高性能化

~ フィルム生産の生産性向上とランニングコスト低減に貢献 ~

日本精工株式会社(本社:東京都品川区、代表者:取締役 代表執行役社長 大塚 紀男、以下NSK)は、フィルム延伸機*1のテンタークリップ*2向けに用いられる「テンタークリップ用軸受」を高性能化し、長寿命化と信頼性を高めました。NSKは、フィルム延伸機の生産性向上とランニングコストの低減を可能にした本製品によって、需要が増加しているフィルム延伸機のグローバル市場において、2014年に年間約4億円の売上を目指します。

*1:フィルム延伸機:主にフィルムの強度を向上させるために、フィルムを連続的に搬送・加熱しながら幅方向に引き伸ばす機械装置。(幅方向と同時に長手方向に引き伸ばす場合もある)

*2:テンタークリップ:フィルムの両端をクリップ(掴み)し、無限軌道のレール上を走行しながらフィルムを、幅方向に引き伸ばす機械部品。テンタークリップ用軸受はこの機械部品のレール走行をガイドする部分に用いられる。

フィルム延伸機向け「テンタークリップ用軸受」

背景とニーズ

延伸フィルムは一般包材に加えて、液晶パネルや2次電池などにも用いられており、世界的な需要増に伴い、これらを製造するフィルム延伸機には、より高い生産性が求められています。このため、テンタークリップに用いられる軸受には、フィルムの品質に影響を与えないようにグリースの外部飛散防止に加えて、稼働時間の延長、メンテナンス回数の低減要求、高温、高速、高荷重などの運転条件の過酷化などにより、信頼性の向上が求められています。なかでも高温環境下での更なる長寿命化が課題となっていました。

NSKは、これらのニーズにお応えし、これまで国内および欧米市場でご好評を頂いている「テンタークリップ用軸受」に独自に開発した高温下での潤滑性能をより一層高めたフッ素グリースを採用することで、信頼性を飛躍的に高めました。

製品の特長

軸受の焼付き寿命を2倍(従来比)に向上
NSK独自開発のフッ素グリースを封入することにより、従来一般的に使われているフッ素グリースに比べて、高温下においても約2倍の焼付き寿命を実現しました。

製品の効果

焼付き寿命の向上により稼動期間の延長やメンテナンス回数の低減が可能となり、生産性向上とランニングコストの低減に貢献します。

今後の予定

テンタークリップ用軸受として、サイズや仕様などのラインナップを拡充し、日米欧に加えて中国をはじめとする新興国市場など、グローバル市場で拡販します。

フィルム延伸機およびテンタークリップの概略
テンタークリップ用軸受の技術課題
NSK独自開発グリース