メガトルクモータ™用EtherCAT®対応ドライバEGC型、コンバータECC型

2026年4月
産業機械技術総合開発センター
システム商品開発部

1. はじめに

近年、産業用オートメーションの分野では、インダストリー4.0やIoTの潮流に伴い、高速かつリアルタイム性の高い産業用イーサネットが急速に普及している。特に半導体製造装置の分野では、産業用イーサネット規格の中でも優れたリアルタイム性を持つEtherCAT®の採用が拡大しており、小型部品の組み立て装置や画像検査装置など、半導体分野以外でもEtherCAT対応ニーズが広がっている。また、半導体製品の微細化に伴い、装置に使用されるコンポーネントにもさらなる精度向上が求められている。こうした市場ニーズに応えるため、メガトルクモータ™PS/PN型(図1)向けの「EtherCAT対応ドライバEGC型」および「コンバータECC型」を新たに開発した(図2)。

図1 メガトルクモータPS/PN型

図1 メガトルクモータPS/PN型

図2 ドライバEGC型、コンバータECC型

図2 ドライバEGC型、コンバータECC型

2. 構成および仕様

図3に示すように、本製品はメガトルクモータPS/PN型、ドライバEGC型、コンバータECC型で構成されるシステムとして提供する。

図3 システム構成

図3 システム構成

ラインナップとしては現行品モータ11種類に対応しており、多彩な用途に適応することが可能である。ドライバは最大出力電流の異なる2種類をラインナップしている。コンバータはモータの回転位置信号をアナログ信号からデジタル信号に変換処理しており、モータ毎に11種類をラインナップしている。表1に仕様一覧を示す。

表1 仕様一覧

表1 仕様一覧
3. 特徴
3.1 EtherCAT対応により、複数モータの統合制御や高速同期運転を実現

本製品とメガトルクモータを組み合わせることで、EtherCATネットワーク上での動作が可能となる。

その結果、メガトルクモータ以外の機器も含む複数モータの統合制御や高速同期運転を実現し、装置の立上げ時間短縮、工程ごとの動作時間短縮など、生産効率向上に貢献する(図4)。

図4 現行品と本製品の比較

図4 現行品と本製品の比較

3.2 メガトルクモータの角度分解能を、現行専用ドライブユニット使用時に対して1.6倍に向上(419万分割に向上)させることで、より細かい回転位置決めを実現

本製品のコンバータにて、メガトルクモータに内蔵された専用レゾルバの信号をアナログ/デジタル処理することで、現行品使用時(角度分解能:262万分割)に比べて1.6倍に向上(角度分解能:419万分割)。これにより、メガトルクモータのより細かい回転位置決めを実現し、装置の高精度化に寄与する。

3.3 ファンを用いた強制冷却方式とすることで、外形寸法の小型化を実現

ドライバの冷却方式を、ファンを用いた強制冷却方式とすることでヒートシンクのサイズダウンが可能となり、現行専用ドライブユニットと比較し小型化を実現。これにより、ドライバを搭載した装置全体の小型化、省エネルギー化に貢献する(表2)。

表2 現行品と本製品のサイズ比較

表2 現行品と本製品のサイズ比較
4. 用途

半導体製造装置、小型部品の組み立て装置や画像検査装置など。

5. おわりに

産業用イーサネットの中でもリアルタイム性に優れ、半導体製造装置を中心に採用が拡大している EtherCATに対応した、メガトルクモータPS/PN型用の「EtherCAT対応ドライバEGC型・コンバータECC型」を開発した。本製品の導入により、従来からのメガトルクモータの高い耐環境性能は維持しつつ、複数モータの統合制御・高速同期運転、419万分割の高角度分解能による高精度位置決めを実現し、装置の生産効率向上とさらなる精度向上および小型化に貢献する。