TCFD提言に基づく情報開示

TCFD提言への賛同・対応

NSKは2020年1月にTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)の提言に賛同を表明しています。TCFDの提言に沿って事業活動へのリスクや機会を把握し、経営戦略への反映や開示情報の充実を図ることが、社会の持続的な発展とNSKの持続的な成長の両立につながるものと考え、活動の一層の強化に取り組みます。

気候関連のガバナンス

NSKは、機関設計として指名委員会等設置会社を採用しており、取締役会は、業務の執行の決定を執行機関へ積極的に委任し、その執行状況を適切に監督しています。CEOの指揮の下、執行役は職務の分掌に基づいて業務を執行します。気候変動への対応を含む当社の戦略を定める中期経営計画は取締役会で決定し、執行機関によるその具体的施策及び進捗については、定期的に(年1回以上)取締役会に報告され、取締役会がモニタリングをしています。

CEOを委員長としたサステナビリティ・コアバリュー委員会は、安全、品質、環境、コンプライアンスのコアバリューに関する活動強化のための方針の議論や気候変動等関連リスクの共有を通して、グループ全体の課題を設定し、それらの解決に向けた提言と進捗のモニタリングを行います。

また、脱炭素社会の実現に向けて、事業活動の脱炭素化と製品やサービスを通じた環境貢献を両立し、事業を成長させていくための全社横断の戦略の企画・推進の役割を担う組織として、2021年11月にカーボンニュートラル推進部を発足し活動のさらなる強化を図っています。

コーポレートガバナンス体制図

気候関連のリスクマネジメント

NSKは、グローバルなグループ経営と内部統制を機能させるために、明文化した基本方針に基づくリスク管理体制を構築しています。毎年、リスクの識別、分析、評価を行い、対処すべきリスクを特定しており、そのリスクを定められた報告制度により管理しています。

気候関連のリスクについて、NSKは、これまでも重要性の高いリスクとして識別し、事業や部門を横断して対処してきましたが、2021年からはTCFDの推奨するシナリオ分析も活用しながら事業環境の変化とNSKグループの事業への影響を分析するとともに、課題の抽出及び対応策の実施等、取り組みを強化しています。

リスクマネジメント

戦略

気候変動がNSKのバリューチェーンに与える影響および気候変動対策の有効性の検証を目的に、最長2050年までの期間を想定し、産業革命前からの地球の平均気温上昇が1.5℃~2℃シナリオ、4℃シナリオの2つのシナリオ分析を実施しました。これら分析の結果、NSKは持続可能な社会の構築のため、気温上昇を1.5℃~2℃以下に抑制できる社会の実現に貢献することを基本戦略としました。すなわち、CO2の排出規制に関連した移行リスクへの対応に取り組み、リスクの最小化を図るとともに、脱炭素化という社会のニーズに製品のライフサイクル全体で応えることを、NSKの事業領域であるMOTION & CONTROL™の進化の機会と捉え、関連する各部署の戦略との整合を図るなど、事業活動全体で気候変動対策を推進します。一方、気候変動に起因する自然災害に対しては4℃のシナリオ分析の結果を踏まえるとともに、事業所が立地する地域の風水害の発生頻度や影響など、気候パターンの変化を確認しながら対策を推進しています。

◆シナリオ分析

◇ 分析対象と前提条件

分析対象と前提条件

◇ シナリオ分析で想定したNSKの事業を取り巻く2050年の社会のイメージ(概略)

シナリオ分析において想定したNSKの事業を取り巻く2050年の社会のイメージ(概略)
◆リスクと機会

財務影響は、事業への影響をネガティブ(赤)、ポジティブ(青)で表示
●の大きさで影響の規模を表示。ネガティブな影響がほぼない場合は、「影響のゼロ化」と表示

財務影響は、事業への影響をネガティブ(赤)、ポジティブ(青)で表示
対応策によるリスクの見通し
対応策によるリスクの見通し
機会
機会

対応策によるリスクの見通しと機会は、1.5°C~2°Cシナリオをベースに作成。ただし、※は4°Cシナリオを想定
財務影響の算定にあたって、浸水のリスク及びその影響による停止日数・被害率や炭素税価格の予測値は、公的な機関等から公表されているデータ等を利用して算定

指標と目標

NSKは、事業活動からのCO2排出量の削減と、環境貢献型製品によるCO2排出削減貢献量の拡大を両輪として、長期的な目標を設定し取り組みを進めています。産業機械事業および自動車事業の戦略として、再生可能エネルギー産業の発展に貢献する製品や自動車電動化に対応する製品の開発など、従来から進めてきた施策に加え、2022年度からは、中期経営計画の目標として、NSKグループの事業活動からのCO2排出量を2035年度までにスコープ1及びスコープ2の実質ゼロを達成することを目標に設定し、取り組みを強化しています。このCO2排出量削減目標は、企業価値向上に整合する目標の一つとして、執行役の短期業績連動報酬の指標にも用いています。

2026年度目標(中期経営計画2026):Scope1+2のCO2排出量を2017年度比50%削減する
2028年度目標(中期経営計画2028):Scope1+2のCO2排出量を2017年度比61%以上削減する
2035年度目標         :Scope1+2のカーボンニュートラルを達成する