世界トップレベルの格上相手に、自分たちのソフトボールを証明する。
─ 日本精工女子ソフトボール部「ブレイブベアリーズ」
世界トップレベルの女子ソフトボール選手たちがハイレベルのプレーでしのぎを削っているのが、「日本女子ソフトボール1部リーグ」です。昨年、2部リーグで見事優勝を果たし、1部リーグに昇格した日本精工(NSK)女子ソフトボール部「ブレイブベアリーズ」。今シーズン、1部リーグの舞台で世界トップレベルの選手たちとの戦いに挑みます。
プロフィール
遠藤 麻美(写真右)
日本精工女子ソフトボール部 監督
石部工場 総務労働課
松田 愛実(写真左)
日本精工女子ソフトボール部 キャプテン
石部工場 第五工作課
チームは個性のかたまり。その良さを活かして戦っていく
1972年に誕生した、日本精工女子ソフトボール部。1985年には1部リーグで優勝し、日本一になりました。その後は2部リーグに留まる時期が続きましたが、NSKが創立100周年を迎えた2016年に2部リーグで優勝し、2017年、23年ぶりに念願の1部リーグに昇格。しかし1部リーグの格上チームを相手に苦戦し、2018年シーズンは再び2部リーグへ。そして今シーズンより、3年ぶりに1部リーグの舞台でプレーします。
1985年シーズンには、見事日本一に!
2019年シーズンで2部リーグ1位になり、2020年シーズンより1部リーグに復帰!
遠藤 ブレイブベアリーズは、滋賀県にある石部工場を拠点としていて、今年で創部49年目。来年50周年を迎えます。会社の皆さんの協力を得て、部員たちは午前中は業務を行い、午後にソフトボールの練習をしています。
松田 日々の業務では、私はデータ入力や、工場の備品の補充や整理などの事務を担当しています。他の選手たちもそれぞれ、製品の検査や品質管理、総務などを行っています。
選手たちは石部工場で働いています
遠藤 チームは本当に個性的な選手が多いですね。個性のかたまりの面白いチームだと思います。性格的な部分もそうですし、投手や野手一人ひとりのプレーにも個性があります。試合の中でも、その個性を活かしていきたいです。
目指すのは、「自律」し「愛される」チーム
悲願の1部リーグ昇格を果たしたブレイブベアリーズ。しかし、1部リーグでは日本はもちろん各国のトップ選手を擁するチームと対戦することになり、今シーズンは厳しい戦いが予想されます。
松田 厳しい試合になると思いますが、格上のチームに対しても決してひるむことなく、「勝ちたい!」という気持ちを強く持ち続けられるチームにしたいです。勝つためには技術的な面はもちろん大事なのですが、それだけでは勝てません。選手同士のつながりや気持ちの面も大事にしたいです。
遠藤 目指しているのは、「自律したチーム」です。個々が自律した集団が強いチームを作るものだと思います。自分自身で必要性を考えて練習メニューを組んだり、また普段の自己管理も同様です。そしてもう一つ、「愛されるチーム」を目指しています。挨拶や礼儀をはじめ、皆さんから「このチーム、雰囲気がいいな」と思ってもらえたり、試合を見てくださった方に感動を与えたりと、応援したくなるような、愛されるチームにしたいですね。
小さなフィールドから生まれるスピード感が、劇的な試合を作る
ソフトボールは1試合7イニングで行われ、延長戦はノーアウト2塁からイニングが始まるタイブレーカー制度が採用されています。一度交代した選手が再びプレーする「リエントリー」というルールもあり、野球とは違う駆け引きや逆転劇が繰り広げられます。また野球と大きく異なるのは、ボールとフィールドの大きさ。ボールは手を広げて握るほど大きく、そして飛びにくいため、投球距離や塁間などは野球よりもコンパクト。このボールとフィールドからも、野球とは異なる面白さが生まれます。
遠藤 ソフトボールの一番の面白さはスピード感です。フィールドが小さいので、投球、打球、送球、走塁すべてが素早く展開されます。スピードを活かした守備や攻撃は試合の流れを変える大きなプレーにもつながり見ている人を楽しませるスポーツです。
強い気持ちで勝利を掴む、下剋上スピリット
ブレイブベアリーズの今シーズンのチームテーマは、「下剋上 ~All-out to win~」。1部リーグで格上の相手と戦う中でも、ひるまずに強気で勝利を掴み取ります。
遠藤 「一つでも多く勝つ」、それが会社や応援してくださる方々への恩返しだと思っています。そのために必要なことを一人ひとりが考えて準備しています。しっかり目の前を見据えて準備を怠らずに、一つでも多く勝ちたいです。
松田 シーズンを通して厳しい戦いになると思いますが、チャレンジャーとして攻める気持ち、強い気持ちを持ち続けて戦っていきます。厳しい舞台で勝利にこだわって戦うチームがこのNSKに存在しているということを多くの方に知ってもらえるよう、今シーズンを戦い抜きます。
いつもとは違うシーズン開幕に向けた特別な想い
遠藤 練習できない期間も多くありましたが、9月の開幕に向け、個々のレベルアップを中心に取り組んできました。この期間を通して、他人に思いやりを持つことの大切さを感じ、選手たちとも共有してきました。一人ひとりの行動が、今後の明るい未来へつながると信じています。今、できることは何かを日々考えながら頑張っていきたいと思います。私たちの姿を通して、皆さんへの感謝の気持ちや、前向きな気持ちを感じてもらえるよう、全力で試合に臨みます。
松田 さまざまなスポーツの大会が中止になっているなか、練習の成果を出せる舞台があることや、目標にするものがあることは、とてもありがたく、選手として幸せなことだと再認識しました。また、チーム全体で練習ができない期間を経て、みんなでやれるソフトボールが楽しいと改めて感じました。
このチームでできる試合数は半分になってしまいましたが、一戦一戦大切に戦いたいと、より強く思っています。今年は例年以上にいろいろな面で大会の運営が大変になると思います。試合ができることへの感謝や、応援してくださるファンの皆様、関係者の方々への感謝の気持ちを持って、プレーしていきたいです。
ブレイブベアリーズのオフィシャルHPもチェック!
*「第53回日本女子ソフトボールリーグ」は、開幕節と決勝トーナメント以外は無観客で開催予定です。
リーグに関する情報は、こちらから。