2025年09月02日

日本精工株式会社
コーポレート・コミュニケーション部

日本精工 × 人機一体、iREX2025に向けて『アクティブキャスタPalGoTM 高荷重タイプ』の共同開発プロジェクトを加速

デザイナーである根津 孝太氏を迎えキックオフを実施。

 日本精工株式会社(本社:東京都品川区、代表者:取締役 代表執行役社長・CEO市井 明俊、以下「NSK」)、株式会社人機一体(本社:滋賀県草津市、代表者:代表取締役 金岡博士、以下「人機一体」)は、重量物の搬送と全方向移動の両立を目指した『アクティブキャスタPalGoTM 高荷重タイプ、以下「PalGo 高荷重タイプ」』の共同開発プロジェクトを 2024 年 3 月より進めてまいりました。

 この度、人機一体の高所重作業対応汎用人型重機「零式人機」シリーズなどのデザインを担当するクリエイティブコミュニケーター・プロダクトデザイナーであり、有限会社znug design (本社:東京都杉並区、以下「znug design」)の根津孝太 氏を同プロジェクトに迎え、2025 年 12 月に東京ビッグサイトにて開催される2025 国際ロボット展[iREX2025](以下、iREX2025)での展示に向けたキックオフを実施しました。

主な参加者(左から):人機一体 野村 方哉、znug design 根津 孝太 氏、人機一体 金岡博士、NSK尾崎 学士、近藤 大介、難波 竜三郎、山田 洋 /  2025年7月、日本精工株式会社グローバルトレーニングセンター(神奈川県藤沢市)にて

主な参加者(左から):人機一体 野村 方哉、znug design 根津 孝太 氏、人機一体 金岡博士、NSK尾崎 学士、近藤 大介、難波 竜三郎、山田 洋 /

2025年7月、日本精工株式会社グローバルトレーニングセンター(神奈川県藤沢市)にて

 
プロジェクトの背景
 
アクティブキャスタPalGo

アクティブキャスタPalGoTM

 

 アクティブキャスタPalGoTMは、NSKで開発されたロボットやモビリティ向けの駆動ユニットであり、前後左右、回転も含めた自由な動き(全方向移動)を実現することが最大の特徴です。2022年の国際ロボット展においてコンセプトモデルを初出展、その後2024年4月にNSKが医療現場の負担軽減を目的として実用化した搬送アシストロボットMOOVOTM(ムーボ)に搭載されたことで初めて市場投入されました。PalGo(Pal:相棒、Go:駆動、前進)という商品名には人とロボットの共存に役立つユニットになってほしいという気持ちが込められています。

 一方、人機一体では倉庫内などの狭小空間に対応し、重量物搬送に耐えうる全方向移動ユニットを探索していました。このような背景から、両社のニーズが重なり、2024 年 3 月よりアクティブキャスタPalGoTMの高荷重対応化に向けた共同開発を開始しました。

 
人機一体のデザインシステムを実装
 

 PalGo 高荷重タイプの製品化・実用化を推進するため、零式人機などのデザインを担当する根津孝太 氏をプロジェクトに迎えました。同氏はコンセプトスケッチおよびデザインマネジメントを担当します。

 

 機械設計・意匠デザインにおいては、人機一体が「零式人機」シリーズで根津氏と共同で培ったデザインシステムを採用し、「力の流れの可視化」をコンセプトに、駆動・旋回機構の動きを外装意匠として表現します。クリエイティブな視点から機能の可視化と意匠性と両立した「機能美」を実現し、「重量物の搬送を、もっと自在に」というコンセプトをデザインとして具現化していきます。

人機一体のデザインシステム(根津孝太 氏 作成)

人機一体のデザインシステム(根津孝太 氏 作成)

 

デザインコンセプト

・inside out:内部の美しいメカを魅せる・差動の力の流れを可視化

・差動を生むベベルギアを、象徴的なモチーフとしてグラフィカルに表現

・アイコニックさ・キャラクター性を感じさせる、塊感のあるただずまい

 


PalGo高荷重タイプには2基のモータの差動機構による駆動機能と旋回機能が搭載されており、そこで生まれる「力の流れ」を、視覚的に象徴するオレンジのラインで外装上に表現します。これにより、駆動・旋回の自在な制御性能がひと目で伝わる「機能美」を実現するデザインを目指します。

PalGo 高荷重タイプ コンセプトスケッチ(根津孝太 氏 作成)

PalGo 高荷重タイプ コンセプトスケッチ(根津孝太 氏 作成)

 

 
キックオフの様子
 

・コンセプトスケッチの披露、iREX2025に向けてのディスカッション

  znug design 根津孝太 氏から、人機一体のデザインシステムを元にした PalGo 高荷重タイプのコンセプトをスケッチが披露されました。コンセプトスケッチからイメージを膨らませ、iREX2025での展示方法やブース、詳細のデザインの作り込みについて議論を行ないました。

キックオフの様子
キックオフの様子
今後の展開:iREX2025 にて共同展示を実施
 
iREX2025

 

 両社は、2025 年 12月に東京ビッグサイトにて開催されるiREX2025に出展いたします。東7ホールにて共同での展示を計画しております。詳細は2025年11 月頃に改めて発表予定です。

※ iREX2025 Webサイト https://irex.nikkan.co.jp/

 
各社からのコメント
 

株式会社人機一体 知財開発部 野村 方哉

株式会社人機一体 知財開発部 野村 方哉

 狭い空間で重量物を安全かつ自由自在に搬送したいというテーマに対して、高重量物に対応した PalGo 高荷重タイプの開発を NSK と進めてまいりました。設計段階から共同で進めていく中で、差動機構はまさに人機一体が行なっている「力を自在に操ること」に通ずるものがあると感じています。これまで 零式人機 ver.2.0 をはじめ、znug design 根津孝太 様と「力の流れ」をオレンジラインを用いて表現してきました。このデザインシステムを実装することで、PalGo 高荷重タイプのモータから差動変速機、そして車輪への「力の流れ」として表現し形にしていきたいと思います。

 

有限会社znug design 根津 孝太氏

有限会社znug design 根津 孝太 氏

 高品質と信頼性で世の中の「うごく」を支え続けてきた NSK と、フィジカルな苦役を無用とすることを理念とする人機一体のコラボレーションは、次代を動かすものになると確信しています。そこにデザイナーとして参画させていただくことを大変うれしく思います。アクティブキャスタ PalGoTM 高荷重タイプは、その中核となるメカニズムの美しさにも特筆すべきものがあります。今回のデザインでは、その秘められた美しさを可視化することに力点を置き、両社の架け橋となるような造形を目指します。

 

日本精工株式会社 技術開発本部 新領域商品開発センター 近藤 大介 

日本精工株式会社 技術開発本部 新領域商品開発センター 近藤 大介

 NSKはこれまで培った技術をロボティクスの分野に応用し、社会課題の解決を目指しています。今回、「あまねく世界からフィジカルな苦役を無用とする。」という人機一体のミッションに共感し共同開発を開始しました。このプロジェクトを通じて当社技術が社会実装されより安全・安全な社会の実現に貢献できればと考えております。また、iREX2025 に向けてアクティブキャスタPalGoTMの機能がデザインによって可視化されるのを非常に楽しみにしております。

 

 
各社概要
 

■ 株式会社人機一体

 株式会社人機一体


代表者 :金岡博士(Dr. KANAOKA)

所在地 :滋賀県草津市青地町648番地1

拠 点 :福島県南相馬市原町区萱浜 字巣掛場45番地245

     南相馬市産業創造センター

創立  :2007 年 10 月 01 日

創業  :2015 年 10 月 01 日(現商号への変更日)

資本金 :1 億円

事業内容:先端ロボット工学技術に基づく新規事業開発支援のための知的財産活用サービス

URL   :https://www.jinki.jp/

 

■ 有限会社 znug design

有限会社 znug design

 

代表者  :取締役 根津 孝太

所在地  :東京都杉並区善福寺 3-22-10

事業内容:⼯業製品のコンセプト企画・デザイン、企業の創造活動の活性化

 

 

■ 日本精工株式会社

日本精工株式会社

 

代表者  :取締役 代表執行役社長・CEO 市井 明俊

本社所在地:東京都品川区大崎1-6-3

創立    :1916年11月8日

資本金  :672億円

事業内容:産業機械事業(一般産業向けの軸受、精密機器関連製品の製造販売)、自動車事業(自動車及び自動車部品メーカー向けの軸受、自動変速機部品及びステアリング等の製造販売)等

URL     :https://www.nsk.com/jp-ja/

 
本件に関するお問合せ先
 

■ 株式会社人機一体

事業戦略部 広報担当 梅田

Mail:request@jinki.jp

問い合わせフォーム:https://www.jinki.jp/contact

 

■ 日本精工株式会社

コーポレート・コミュニケーション部 柏・浅井

Mail:pr-dept@nsk.com