背景
NSKは、「安全」を経営のコアバリューの一つに位置付け、安全レベルの向上を目指しています。2016年には、リスクアセスメント活動(現場のリスクの洗い出し、優先順位付け、措置の決定)を、安全推進活動の柱に位置付けました。この活動を推進するため、スタッフ間の知識やリスクアセスメントのレベルのばらつきを減らして、正しい知識で効率的に活動ができるよう、「SA」「SSA」の資格取得の推進を開始しました。
「SA」「SSA」は、安全対策を適切に実施するために必要な国際安全規格に基づく機械安全の知識・能力を有することを第三者認証する資格制度で、日本認証株式会社(
https://www.japan-certification.com/
)によって運営されています。安全を科学的に捉え、正しいリスクアセスメントの知識を身に着けて実施することで、災害発生の確率を下げることができます。
取組内容
2016年にNSKおよびグループ会社の国内全生産拠点と中国の一部生産拠点に対し、出張講習を開始しました。受講対象者は安全に関わる全社員とし、実務担当者だけでなく、監督者も正しい知識を身に着けることで、全ての現場で質の高いリスクアセスメントを実施できるようにしました。
2018年からは、資格取得者を中心としたリスクアセスメント推進体制を構築し、設備対策も併せて実施することで、効率的に災害件数を削減しました。
成果
「SA」「SSA」取得者数は、100人以下だった2015年以前に比べ、2018年は624人、2021年には1,005人と、6年間で10倍以上に増加しました。また、2019年~2021年(3年間)の労働災害件数は、2016年~2018年(3年間)に対して、NSKグローバルで48%、NSK国内では50%の削減を達成しました。
今後の予定
NSKグループは、「安全・品質・環境・コンプライアンス」を経営のコアバリューとして位置付け、MTP2026では、2026年の労働災害件数を(2021年実績に対して)50%削減させることを目標に掲げています。
今後、資格取得の推進に加え、各工場のリスクアセスメントを見直して質の向上を図ります。また、2021年から安全文化のワークショップも開始し、作業者の意識を改革する活動も進めています。
NSKについて
NSKは、1916年に日本で最初の軸受(ベアリング)を生産して以来、100年にわたり軸受や自動車部品、精機製品などのさまざまな革新的な製品・技術を生み出し、世界の産業の発展を支えてきました。1960年代初頭から海外に進出し、現在では30ヶ国以上に拠点を設け、軸受の分野で世界第3位、また電動パワーステアリング、ボールねじなどにおいても世界をリードしています。
企業理念として、MOTION & CONTROL™を通じて円滑で安全な社会に貢献し、地球環境の保全をめざすとともに、グローバルな活動によって、国を越えた人と人の結びつきを強めることを掲げています。2026年に向けてNSKビジョン2026「あたらしい動きをつくる。」を掲げ、世の中の期待に応える価値を協創し、社会への貢献と企業の発展の両立を目指していきます。