日本精工株式会社(本社:東京都品川区、代表者:取締役 代表執行役社長 内山 俊弘、以下NSK)は、一般社団法人日本トライボロジー学会*1より「2016年度 日本トライボロジー学会論文賞」と「2016年度 日本トライボロジー学会 技術賞」を受賞しました。今回の受賞は、独創性など優れた研究成果が認められ、今後の社会貢献が期待できることが評価されたものです。
- (社)日本トライボロジー学会
- 1956年にトライボロジー(相対運動しながら互いに影響を及ぼしあう2つの表面の間におこるすべての現象を対象とする科学技術)に関する技術の向上を目的に設立された。
- 1. 受賞対象:「複合化アルミナ・ジルコニア転動体の開発」
- 従来の軸受用セラミック材料である窒化珪素は、工作機械などの高速回転用途、ファンモータの電食対策など特殊用途軸受の転動体として使用されています。窒化珪素は原料粉末、焼結工程のコストが酸化物系セラミックスであるアルミナやジルコニアよりも高いという課題がありましたが、酸化物系セラミックスは、転動部材としての性能に劣るという問題がありました。この研究においてアルミナとジルコニアの配合比を最適化により高強度化した複合酸化物系セラミックス転動体を開発し、アルミナ、ジルコニア単独材の転動体に比べ、100 倍以上長寿命となることを確認しました。この複合酸化物系セラミックス転動体は、近年、ファンモータ用軸受においてインバータ化の拡大にともなう電食対策として使用されています。今後、自動車の電動化の進行に対しても貢献する技術として拡大が期待されます。
- 2. 受賞者
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- 清水 康之(しみず やすゆき)
- 植田 光司(うえだ こうじ)
- 遠藤 雄一(えんどう ゆういち)
NSKは世界トップレベルの技術力によって、機械の摩擦をコントロールし、エネルギー損失を小さくすることで、今後も安全・快適・環境にやさしい社会の実現、産業の発達、機械の進歩に大きく貢献してまいります。