
日本精工株式会社(本社:東京都品川区、代表者:取締役 代表執行役社長 内山 俊弘、以下NSK)は、ハイブリッドカー・電気自動車(以下HV・EV)の変速機などの駆動部向けに「次世代クリープフリー軸受」を開発しました。本製品は、“クリープ”と呼ばれる軸受のすべり現象に起因する振動の増大を抑制しHV・EVのさらなる快適性向上に貢献します。NSKは、本製品の売上として2020年に15億円を目指します。
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プレスリリース
2016年02月24日
日本精工株式会社 広報部
日本精工株式会社(本社:東京都品川区、代表者:取締役 代表執行役社長 内山 俊弘、以下NSK)は、ハイブリッドカー・電気自動車(以下HV・EV)の変速機などの駆動部向けに「次世代クリープフリー軸受」を開発しました。本製品は、“クリープ”と呼ばれる軸受のすべり現象に起因する振動の増大を抑制しHV・EVのさらなる快適性向上に貢献します。NSKは、本製品の売上として2020年に15億円を目指します。
HV・EVには、省燃費化のため、小型で高速回転型モータの使用が多くなっています。モータが高速回転化するとアンバランスによる荷重が増大し軸受にクリープが発生し易くなります。クリープが発生すると、軸受やその外側にある変速機ケースの摩耗につながります。この摩耗によって変速機からの振動が大きくなることが課題となっていました。
クリープには、軸受の外輪が変速機のギヤからの大きな荷重を受けて軌道輪が変形することで発生する静止荷重*1クリープ、モータが回転する際の不均等な偏心荷重を受けることで、ケースと外輪のすきまによって発生する回転荷重*2クリープ、さらには軸受内部の摩擦力による外輪の連れ回りがあります。
クリープの防止には、軸受をケースに固定すること、外輪外径面にOリングを付けたクリープフリー™軸受が有効です。
しかし、軸受をケースに固定することは、コストとケースへの組付け性が課題でした。また、Oリングを使用する際には、高温の油環境におけるOリングの耐油性の確保が課題でした。
本製品は、設計や材質を最適化することで、機械的な固定をせずにクリープの発生を抑制しました。この結果、軸受のクリープに伴う摩耗によって発生する振動低減を可能にしました。
*1:静止荷重:向きが一定の部分に向かっている荷重
*2:回転荷重:向きが連続的に変化するような荷重
本製品は、大幅なコスト増大を伴わずにHV・EVの快適性の向上に貢献します。