日本精工株式会社(本社:東京都品川区、代表者:取締役 代表執行役社長 内山俊弘、以下NSK)は、自動車の環境性能、安全性能、快適性能を向上させるインホイールモータを小型化する技術、「変速機付きホイールハブモータ(図1)」の実証試験を世界で初めて行いました。NSKは、ホイールハブモータの試作と評価で得た知見に基づいて、減速機内蔵ハブ軸受ユニット、ワンウェイクラッチユニット、ミニアチュアケージ&ローラ軸受、耐電食軸受など、構成部品の商品化を目指します。
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プレスリリース
2016年12月26日
日本精工株式会社 CSR本部 広報部
~インホイールモータの小型化に貢献~
日本精工株式会社(本社:東京都品川区、代表者:取締役 代表執行役社長 内山俊弘、以下NSK)は、自動車の環境性能、安全性能、快適性能を向上させるインホイールモータを小型化する技術、「変速機付きホイールハブモータ(図1)」の実証試験を世界で初めて行いました。NSKは、ホイールハブモータの試作と評価で得た知見に基づいて、減速機内蔵ハブ軸受ユニット、ワンウェイクラッチユニット、ミニアチュアケージ&ローラ軸受、耐電食軸受など、構成部品の商品化を目指します。
環境問題に関心が集まる中、自動車に関しては走行性能だけでなく、環境性能も重要な性能の一つとして認められています。自動車の駆動形式も、ハイブリッド車(HEV)、電気自動車(EV)、燃料電池車(FCV)など多様化が進み、“電動化”が大きなトレンドとなっています。
自動車の車体構造に依存せず、様々な駆動形式に対応できるインホイールモータは、次世代の駆動装置として注目されています。ホイール近傍に配置されるインホイールモータは、エンジンなどのパワートレイン部品の削減による車体の軽量化、ホイール毎の駆動力制御、室内空間の拡大が可能となることから、環境性能、安全性能、快適性能(図2)を向上できると期待されています。このため、実用化を目指して多くの研究が行われています。
しかし、加速中あるいは登坂に必要な大きな駆動トルクと、十分な最高速度を両立するためにはモータが大型化するという課題があり、広く実用化されるに至っていません。インホイールモータの小型化は環境性能、安全性能、快適性能を向上する重要な技術の一つと言えます。
インホイールモータを小型化するため、NSKは2つのモータと特殊な変速機を用いた「変速機付きホイールハブモータ」を開発しました。
このホイールハブモータは、2つのモータと、2つの遊星歯車で構成された変速機を搭載しており、大きな駆動トルクと、十分な最高速度を小さなモータで両立できます。また、この変速機は2つのモータの速度とトルクを制御することで加速中でも滑らかに変速できる特長(図3)があります。NSKは、試作したホイールハブモータと、それを搭載した実験車両(図4)を用いて、その優れた性能を世界で初めて実証しました。
NSKは、ホイールハブモータの試作と評価で得た知見に基づいて、減速機内蔵ハブ軸受ユニット、ワンウェイクラッチユニット、ミニアチュアケージ&ローラ軸受、耐電食軸受など、構成部品(図5)に必要な性能をいち早く把握し、それらの商品化を目指します。