日本精工株式会社(本社:東京都品川区、代表者:取締役 代表執行役社長 大塚 紀男、以下NSK)は、オフィスビルや工場などの大規模施設の空調設備向けに「高効率ターボ冷凍機用内輪DLC皮膜円筒ころ軸受」を開発しました。
DLC皮膜を施すことにより、円筒ころ軸受の耐スキッディング性能*を向上させ、高速・軽荷重条件で使用されるターボ冷凍機用圧縮機向け転がり軸受への適用を可能にし、更なる信頼性向上、軸受摩擦損失低減を実現しました。
NSKは、高信頼性及び省エネに貢献する本製品を国内外で拡販し、2018年に2億円の売上を目指します。
* スキッディング:軸受内輪から伝達されるころの駆動が、潤滑油の攪拌抵抗等に阻害され、外内輪軌道面ところ転動面との間ですべりが生じる現象。早期異常摩耗損傷につながる場合がある。
国内の空調エネルギー消費(熱源システム)は、民生用エネルギー消費量の約3割を占める程の多大な電力や燃料を消費するため、エネルギー効率が高いターボ冷凍機の需要が高まっています。また、大規模施設の空調には、信頼性向上も求められています。
NSKでは、2000年よりターボ冷凍機(圧縮機)用転がり軸受としてアンギュラ玉軸受を市場投入し、従来の滑り軸受をアンギュラ玉軸受に置き換え頂くことで、飛躍的な効率向上(省エネ)の達成に貢献しています。
また、ターボ冷凍機圧縮機用転がり軸受は、耐スキッディング対策として定位置予圧されたアンギュラ玉軸受のみの展開であったため、結果として軸受配列が多列化の傾向となり、軸受の摩擦損失低減には限界がありました。
今回、NSKは、ターボ冷凍機の圧縮機用として、従来からのアンギュラ玉軸受に新たにDLC皮膜処理円筒ころ軸受をラインナップに加え、信頼性の向上とともに摩擦損失の低減、省スペース・省資源を実現しました。