日本精工株式会社(本社/東京都品川区、取締役 代表執行役社長 大塚紀男、以下NSK)は、エアコンなどのファンモータ用の軸受として、新素材セラミックボールを採用した「電食防止新素材セラミックボール軸受」を開発しました。本製品は、インバータ制御機器の影響で発生する電食による軸受損傷を防止することで、長期にわたって軸受の静音性を維持します。NSKは、本製品の売上として2013年度に30億円の売上を目指します。

ファンモータは、エアコンをはじめとして、クリーンルーム設備、空気清浄機、換気システムなど幅広く採用されております。近年、ファンモータには静音性に加えて省エネのため、モータのインバータ制御化が進んでいます。しかしながら、インバータ制御では電圧変化に伴い、まれに電流が軸受内部を通過し、軸受に電食*1と呼ばれる損傷が発生し、軸受からの騒音が大きくなる場合があります。電食対策として、従来は窒化珪素セラミックボールが使用されていますが、NSKは、より生産性の高い新素材セラミックボールを採用し、ファンモータ用途に最適な電食防止軸受を開発しました。
*1 電食:回転中の軸受の軌道輪と転動体との接触部分に電流が流れた場合、薄い潤滑油膜を通してスパークし、その表面が局部的に溶融し凹凸となる現象。