Press Release

建設機械 旋回/走行減速機用「長寿命遊星軸付きケージ&ローラ」を開発

~ 長寿命化により旋回/走行減速機の耐久性・信頼性の向上に貢献 ~

日本精工株式会社(取締役 代表執行役社長 大塚紀男、以下NSK)は、油圧ショベルなどの建設機械(以下、建機)の旋回/走行減速機用に、従来の2倍の寿命を実現した「長寿命遊星軸付きケージ&ローラ」を開発しました。NSKは、2012年に本製品の売上5億円を目指します。

過酷潤滑環境下での長寿命スラストリップ付レース

【開発の背景】

旋回/走行減速機向け遊星軸及びケージ&ローラは、ギヤの摩耗粉などの異物が混入する厳しい潤滑状態で用いられます。さらに建機の旋回/走行は低速回転が多いため、遊星軸及びケージ&ローラは、油膜形成が難しい過酷な潤滑環境下にて使用されます。

近年、新興国での社会インフラ整備や資源開発の需要が急増しており、多くの建機は長時間連続稼働、長距離の未舗装路走行など、より厳しい条件下で使用されています。その結果、旋回/走行減速機向け遊星軸及びケージ&ローラには、過酷環境下での長寿命化のニーズが高まっております。

本製品は、遊星軸とケージ&ローラをセットで開発することで、以下の優れた特長により、長寿命化のニーズにお応えします。

【製品の特長】

軌道面の改善による信頼性の向上
遊星軸及びローラの軌道面を滑らかな鏡面に仕上げることで、十分かつ均等な油膜形成を可能にし、信頼性を向上させました。
特殊熱処理による表面疲労強度の向上
遊星軸及びローラに特殊熱処理を採用することで、潤滑油中のギヤ摩耗粉など異物混入に対する表面の疲労強度を高め、異物環境下で寿命を延長しました。

【製品の効果】

本製品は、従来の2倍以上の寿命を達成することで、建機の走行/旋回減速機の以下の高機能化に貢献します。

  • 長時間の連続稼動など、過酷使用条件下での耐久性・信頼性を高め、さらにはメンテナンスの頻度が減ることで、作業効率を向上します。
  • 長寿命化による遊星軸およびケージ&ローラの小型・軽量化は、走行/旋回減速機の小型・軽量化に貢献します。
使用箇所:油圧ショベル旋回/走行減速機用 遊星歯車機構
新商品の特長
長寿命化(1):軌道面の改善による油膜確保
長寿命化(2):特殊熱処理開発による表面疲労対策