NSKは、耐熱性に優れる高強度生分解性プラスチックを開発しました。
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プレスリリース
2008年01月08日
日本精工株式会社 CSR本部 広報部
~ NSK独自の低トルク化技術を活かし、ハイレベルな環境配慮型ベアリングを試作 ~
NSKは、耐熱性に優れる高強度生分解性プラスチックを開発しました。
NSKは、日用品などに用いられている生分解性プラスチックについて、転がり軸受などの構造部材ヘの適用が可能なレベルに耐熱性・強度を向上させた、高強度生分解性プラスチックの開発に成功しました。今回開発した生分解性プラスチックは、耐熱性に優れるポリビニルアルコール(PVA)系樹脂に、強度を向上させる繊維状補強材と柔軟性改良剤を配合したNSK独自の開発材料です。この柔軟性改良剤を配合することによって、適度な柔軟性が付与され、軸受に特有の組立性も改善されています。
開発した高強度生分解性プラスチックの特長は以下の通りです。
NSKは、軸受の構成部品である保持器・シールをこの高強度生分解性プラスチック製に、内部に充填されるグリースを生分解性のエクセラグリーン™NS7グリース(エコマーク認定)とし、更に内外輪を特殊形状とすることで、低トルク化による省エネルギーを実現した「ハイレベルな環境配慮型転がり軸受」を試作し、評価を完了しました。この軸受は、50%低トルク化達成で省エネルギーに貢献することが期待できます。また、この軸受は100℃、1万回転、5,000時間の耐久試験で十分な耐久性が確認できました。
生分解性プラスチックは、土壌中に放置することで微生物によって二酸化炭素と水に分解されます。近年、環境に配慮した製品に対して生分解性プラスチックを適用することが広まりつつありますが、耐熱性や耐久性を必要とする機械部品にはまだまだ実用化事例がないのが実情でした。
NSKは、多くの自社製品に開発した高強度生分解性プラスチックの適用を進めてまいります。