NSKは、真空環境用薄膜潤滑技術DFOをさらに進化させ、長寿命と低アウトガス>*1を実現した『E-DFOボールねじ・リニアガイド・転がり軸受』の販売を開始します。
>*1 真空環境下において有機材料等から放出されるガス
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プレスリリース
2005年08月25日
日本精工株式会社 CSR本部 広報部
薄膜潤滑技術DFOの更なる進化により、世界に先駆け大幅な長寿命化を実現 ~
NSKは、真空環境用薄膜潤滑技術DFOをさらに進化させ、長寿命と低アウトガス>*1を実現した『E-DFOボールねじ・リニアガイド・転がり軸受』の販売を開始します。
>*1 真空環境下において有機材料等から放出されるガス
液晶・半導体製造設備等で使用される真空装置内では、アウトガスによる環境汚染が問題となるため、そこで使用されるボールねじやリニアガイド・転がり軸受の潤滑剤には、フッ素系グリースや、フッ素皮膜などの固体潤滑剤が使用されていますが、要求性能を満足するものではありませんでした。
NSKではこうした用途向けに、薄膜潤滑技術DFOを駆使した画期的な潤滑皮膜V-DFOを開発し、従来の固体潤滑皮膜に比べ10倍以上の長寿命化、フッ素系グリースと比較して1/10の低発塵・低アウトガスを実現し、2001年から市場に提供してきました。
しかし近年、装置のメンテナンス期間延長の要望が強くなり、さらに耐久性に優れ、真空環境汚染のより少ない潤滑皮膜の開発が求められていました。
これらの要求に対しNSKでは、薄膜潤滑技術DFOをさらに進化させた、新しい真空環境用潤滑皮膜処理「E-DFO」を開発し、『E-DFOボールねじ・リニアガイド・転がり軸受』として商品化しました。
「E-DFO」処理は、製品のボール軌道面に特殊潤滑皮膜を施すものであり、NSKが世界に先駆けて開発した固有の技術です(特許出願中)。V-DFO潤滑皮膜と比較しても、さらに数倍以上の耐久性を有するとともに、真空環境の汚染も半分以下に抑えることができます。
『E-DFOボールねじ・リニアガイド・転がり軸受』を使用することにより、液晶・半導体製造設備等で使用される真空装置でのメンテナンス期間を大幅に延長することができ、低発塵・低アウトガス性能とあわせて、真空装置内の駆動機構の高性能化が可能となります。
超低蒸気圧の潤滑オイル(Hydrocarbon oil)と吸着物質(フレーク状PTFE powder)の薄膜潤滑技術を開発し、潤滑皮膜の保持性を向上することにより、以下の特長を実現しました。
ウエハ検査装置、イオン注入機、ICステッパー照明系装置、光測定装置(ワーク搬送)、イオンステッパー、成膜装置、真空干渉測定機、レンズ検査装置、真空検査装置など
『E-DFOボールねじ・リニアガイド・転がり軸受』は、2005年9月から販売を開始します。販売目標としては、3年後に3億円の売り上げを目指します。