NSKは、特殊熱処理技術を保持器に施すことにより、従来品に比べて耐久性を6倍以上向上させた自動車用自動変速機(Automatic Transmission 以下AT)向けニードル軸受(名称:NSKハイテック™軸受)の開発に成功しました。
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プレスリリース
2005年09月26日
日本精工株式会社 CSR本部 広報部
~ 従来比6倍以上の耐久性を実現 ~
NSKは、特殊熱処理技術を保持器に施すことにより、従来品に比べて耐久性を6倍以上向上させた自動車用自動変速機(Automatic Transmission 以下AT)向けニードル軸受(名称:NSKハイテック™軸受)の開発に成功しました。
ニードル軸受の耐久性は、高速回転時や大きな振動が負荷される場合、保持器強度に左右されることがあります。従来、保持器材料の強度向上には、熱処理によって材料表面に窒化層を形成させることが行われてきました。今回、保持器表面にNSK独自の特殊熱処理を施し、窒化層と酸化層の2層構造を有する表面層とすることにより、耐摩耗性・疲労強度を飛躍的に向上させました。
近年、エンジンとATの間に配置されるトルクコンバータ用途においては、お客様の作業効率向上のため非分離タイプのスラストニードル軸受のニーズが高まっています。しかし、エンジン側とAT側の軸心のずれ(以下偏心)によって保持器に過大荷重が負荷される場合があり、軌道輪のフランジ部と保持器側面が接触し、保持器の摩耗や疲労損傷を起こすという課題がありました。
これらの問題に対し、NSKは以下の特長を持ったスラストニードル軸受を開発しました。
NSKは、2008年にトルクコンバータ用途において、本軸受で約10億円の拡販、全体で約50億円の売上を目指します。また、今後トルクコンバータ用途に限らず保持器強度向上要求のある部位へ「NSKハイテック™ニードル軸受」を提案してまいります。