NSKは、水・鉄粉塵が混入する過酷な環境下で使用される鉄鋼圧延機用ロールネック軸受として、従来のロールネック軸受の3倍の寿命を持つ「ウォータータフ軸受(Water-TF Bearing)」の開発に成功いたしました。
新開発のウォータータフ軸受は、鉄鋼用圧延機において水・鉄粉塵等が混入する過酷な使用用途に対応し、NSKの材料溶解技術と熱処理技術を駆使して開発された材料を使用して、従来材料に比べて3倍の長寿命を実現したロールネック軸受であり、鉄鋼圧延設備全体のメンテナンスコスト削減に大きく貢献します。
鉄鋼圧延機用ロールネック軸受は、圧延時の振動・衝撃・重荷重が加わるだけでなく冷却水や鉄粉塵等の侵入が著しい非常に過酷な環境下で使用されるため、定期的なメンテナンスが不可欠で、ユーザーからは、メンテナンスコスト削減のための長寿命化と信頼性の向上の要望が強く寄せられています。そのような要望に応えるために、NSKは25年前に世界で初めてシールを装着した密封ロールネック軸受を開発し、その後もこの課題に継続して取り組み、より一層の[水・鉄粉塵を侵入させない]対策として従来タイプの密封ロールネック軸受のシール性能を向上させ、高負荷容量を最大限の設計としたエクストラキャパシティ™密封ロールネック軸受を3年前に開発・市場投入し、高い評価を得ています。
その一方で、10年前から[水・鉄粉塵混入下での長寿命化]というこれまでにない課題に材料技術面から取り組み、この度、軸受損傷メカニズムの解明と長寿命材料の開発に成功しました。そしてこの材料を採用したウォータータフ軸受を市場の圧延機ロールネックで試用してきた結果、従来軸受の3倍の寿命延長効果が確認されたので拡大販売を開始いたします。