メインビジュアル

1.1 転がり軸受の各種分類

転がり軸受の分類は、大別すると、荷重方向などの使用状況を考慮した場合、転動体形状による外観で判断する場合、その他として、転動体の列数や外輪と内輪の分離有無、軸受の大きさによる分類もあります。

1. 負荷を受ける荷重の方向による分類

軸受が荷重を負荷したときに転動体が内輪軌道面と接触する部分と外輪軌道面と接触する部分を結んだ直線が、軸受回転軸に垂直な平面となす角を接触角(α)と呼びます。
軸受は接触角αの大きさによって、ラジラル軸受とスラスト軸受に区分されます。
ラジアル軸受(ラジアルベアリング) > 0° ≤ α ≤ 45°(主にラジアル荷重を受けます)
スラスト軸受(スラストベアリング) > 45° < α ≤ 90°(主にアキシアル荷重を受けます)
α = 0
接触角 α
α = 90°

2. 転動体の形式による分類

転動体形式によって、軸受は2つに分類されます。転動体が玉(ボール)の軸受を玉軸受(ボールベアリング)、ころ(ローラー)の軸受をころ軸受(ローラーベアリング)と呼びます。
玉軸受(ボールベアリング)
深溝玉軸受
深溝玉軸受
アンギュラ玉軸受
アンギュラ玉軸受
⾃動調⼼⽟軸受
⾃動調⼼⽟軸受
ころ軸受(ローラーベアリング)
円すいころ軸受
円すいころ軸受
円筒ころ軸受
円筒ころ軸受
自動調心ころ軸受
自動調心ころ軸受

3. 転動体の列数による分類

ラジアル軸受・・・単列(1列)、複列(2列)、n列(nは列数)または多列(3列以上)
スラスト軸受・・・単式(1段)、複式(2段)、多段式(3段以上)
単列アンギュラ玉軸受
単列アンギュラ玉軸受
複列アンギュラ玉軸受
複列アンギュラ玉軸受
単式スラスト玉軸受
単式スラスト玉軸受
複式スラスト玉軸受
複式スラスト玉軸受

4. 分離有無による分類

内輪と外輪が分離できる分離型と分離できない非分離型があります。
分離型の例(円すいころ軸受)
非分離型の例(深溝玉軸受)
非分離型の例(深溝玉軸受)

5. 大きさによる分類

小形~超々大のサイズ区分は、NSK定義であり、JIS区分とは異なります。
軸受名称
サイズ区分(d:内径寸法、D:外径寸法)
(mm)
ミニアチュア(ミニチュア) D < Φ9
小径 d < Φ10、D ≥ Φ9
小形 d ≥ Φ10、D < Φ200
大形 Φ200 ≤ D < Φ400
超大 Φ400 ≤ D < Φ600
超々大 Φ600 ≤ D
TOP