「高効率モータ用軸受」を開発 - 軸受の損失を6割低減 -

日本精工株式会社(本社：東京都品川区、代表者：取締役 代表執行役社長・CEO 内山 俊弘、以下ＮＳＫ)は、損失を低減させた軸受を開発しました。本製品は、世界の電力消費の4割を占める産業機械向けモータの消費電力を削減します。ＮＳＫは、本製品の売上として2025年に売上45億円を目指します。

開発の背景

世界的な環境保護意識の高まりに伴い、あらゆる産業分野でCO₂の削減や消費電力の低減が、進められています。特に、産業機械に使用されるモータは、主にポンプ、送風機、圧縮機など様々な機械を駆動しており、世界の消費電力量の4割以上を占めていると言われています。このため、世界中の国々で産業機械向けモータの効率向上を義務付ける規制が導入されています。

軸受による損失は、モータ消費電力の1%程度と少ないものの、その波及効果が大きいことから、更なる損失低減が期待されています。この社会的な期待に応えるべく、ＮＳＫは製品開発を進めてきました。

製品の特長

1. 損失の低減

ＮＳＫ開発の専用グリースを使用し、その量を最適化することにより、回転時のグリースの攪拌抵抗を減らし、損失を6割低減しました。また、プラスチック保持器の採用により、更なる損失の低減が可能です(最大8割低減)。

2. 寿命の延長

ＮＳＫ開発の専用グリースにより、従来品に比べ回転時の軸受内部の摩耗が抑えられることから、寿命の延長(2.7倍以上)を可能にしました。

製品の効果

本製品は、産業機械向けモータの省エネ、地球環境保護に貢献します。ＮＳＫは、今後も事業を通じて社会の課題解決に取り組んでいきます。