アメリカ向けUL安全規格適合「マニピュレーションシステム」の開発と米国での販売開始

日本精工株式会社(本社:東京都品川区、代表者:取締役 代表執行役社長 内山俊弘、以下NSK)が開発した、医療・バイオ業界や電子部品業界の微小な対象物を操作する「マニピュレーションシステム」の高い安全性と耐久性が評価され、北米のUL安全規格に適合させました。これに伴い、2015年2月から米国での販売を開始し、米国の生命工学研究所に初号機を納入しました。今後、米国内の世界最先端の研究機関や大学に加えて、小型電子部品や精密機械業界への拡販を進めていきます。
また、NSKは、本年11月4日から5日に米国のミネアポリス市で開催される医療業界の展示会「MD&Mミネアポリス2015」に本製品を日本以外では初めて出展します。

マニピュレーションシステムについて

マニピュレーションシステムは、細胞などの微小な試料を操作するツールが装着した三次元(XYZ)テーブルと顕微鏡から構成されており、医療・バイオ、半導体、電子業界などで幅広く使用されています。NSKは、精密位置決め駆動技術に最新の画像処理技術を組み合わせることで、微細な対象物の高精度な操作をスキルフリーで可能にしたマニピュレーションシステムを2008年に開発しました。その後、公益財団法人実験動物中央研究所と協力し、様々な実証実験を行い、2014年には、本マニピュレーションシステムを使って、実験動物の顕微授精に成功しました。さらに、小型化や自動化による操作効率の向上などの改良を進め、公益財団法人実験動物中央研究所の研究に活用していただいております。
また、本開発品は、今後の発生生物学の進歩に貢献できる技術として高く評価され、「2015年“超"モノづくり部品大賞」の「ものづくり生命文明機構理事長賞」を受賞しました。
今回、NSKは、連邦規格に基づいて様々な製品の安全試験・認証を行うことを認められた民間の機関であるNRTL(National Recognized Testing Laboratories米国国家認定試験機関)の規格要求に対応し、Underwriters Laboratoriesが策定したUL安全規格に適合させました。本開発品は計測、制御及び試験所使用電気機器の安全要求事項とインビドロ診断※医用機器の特定要求事項を満しています。

*:生物学の実験などにおいて、試験管内など、体外の人工的に構成された条件下での診断。

新型マニピュレーションシステムの特長

(1) 操作性の向上
顕微鏡を覗きながらの微細な操作は、操作者に大きな負担を強いていました。また、作業者の振動が装置に伝わらないように細心の注意を払って操作することが求められていました。さらには、埃や微生物の混入を避ける専用の設備が設置された清浄な空間への入退室も負担となっていました。今回の改良により、スキルフリーで、モニター上の画像を見ながら操作が可能となり、かつ室外からの遠隔操作も可能となり、操作者の負担を大幅に軽減します。
(2) 操作効率向上
繰り返し行う操作を自動化し、操作効率を向上しました。
(3) 高精度な操作が容易に可能
多くの操作を電動化し、操作ハンドルを視認性が良いボタンタイプに変えることで、熟練者の勘に頼らず、電子制御により簡単に操作できます。
(4) UL安全規格に適合
落下試験や耐衝撃試験などの適合性審査を行った結果、本開発品は、NRTLより発行された適合審査報告書に基づき、規格要求に適していることが自己宣言でき、米国で最も広く採用されているUL安全規格に適合しています。

NSKの未来技術への取り組み

NSKは、Motion && Control技術を基盤とした機械要素部品メーカーとして、軸受などの機械要素製品やメカトロ製品の開発を通じて培った、様々な産業の発展に貢献しております。近年はロボット、センサ、バイオMEMSなどの開発にも取り組んでおります。
NSKは、今後も世界トップレベルの技術力によって、最先端の潜在的なニーズに挑戦してまいります。

新型マニピュレーションシステムの特長
新型マニピュレーションシステムの特長