Vol. 2

オープンなコミュニケーションが、
アウトプットを向上させる

自動車技術総合開発センター 新製品開発部 ワンウェイクラッチ・ディスコネクトチーム
Vol. 2

オープンなコミュニケーションが、アウトプットを向上させる

自動車技術総合開発センター 新製品開発部 ワンウェイクラッチ・ディスコネクトチーム

チームメンバー

  • グループマネジャー
    Aさん
    キャリア入社
    2019年にキャリア採用で入社。前職は、トランスミッションメーカーに18年勤務。部品の耐久性実験やトランスミッションの先行開発などに携わる。NSKの幅広い技術力とさまざまな製品を創造できることに魅力を感じて転職を決意。入社後は現在の部署に主務として配属され、EV向けの変速機用のアクチュエータの開発に従事。2021年4月より現職。
  • 設計・プログラミング
    Rさん
    新卒入社
    メカトロやシステム提案など、大学での研究を生かすべくNSKに入社。モーターショーに出展するコンセプトモデルの製作や新製品探索を行う。2021年より現職。現チームでは、グループリーダーを務めるとともに、構造設計やモデリング、製図などを担当。制御や計測のプログラム作成、試験機の配線などもできるのが強み。
    マネジャーからのコメント
    Comment
    Rさんは、オールマイティーな人なので、どこのチームにでも入ってもらいやすいです。新しい業務についても飄々と対応してしまう姿勢に加えて、壁をつくらずに誰とでも話せるのもすごく良いところだと思っています。Rさんがそういった雰囲気でいてくれるおかげで、チーム内外のコミュニケーションが円滑に進んでいるのだと感じています。とてもありがたいですね。
  • シミュレーション
    Kさん
    キャリア入社
    2019年にキャリア採用で入社。前職は、プリンターの製造メーカーに勤務。サーマルプリンタの設計開発を経験後、マーケティング(市場調査、先行開発)に携わる。先行開発の面白さに目覚め、そこに力を入れている会社へ転職を希望し、NSKに入社。現部署の別グループにて自動車関連の新製品開発に従事。2021年春より、現チームにてギヤボックス内部の流体解析技術と部品の強度解析に取り組む。
    マネジャーからのコメント
    Comment
    何事にも誠実な対応をしてくれます。流体解析についても、コツコツと勉強し、ソフトウェア会社などとも連携を取りつつ、何もなかったところから実物に近い状態までしっかりアウトプットを出してくれました。今後に残る技術を積み上げてくれて、素晴らしいと思っています。また、忙しい時でもネガティブなことは言わずに、まずは引き受けてくれる姿勢にいつも助けられています。

柔軟な発想で、
自動車関連の新製品を先行開発

新製品開発部は、その名の通り、今までNSKになかった製品を新たに創出する部署です。NSKのメイン製品である軸受やそれ以外の製品を組み合わせて新製品を開発したり、顧客の声を聞きつつ全く新しい製品を創出したりしています。その中でも製品開発室は、量産化や製品化の前段階で、その実現性や製品の価値を確かめるのが役割。設計から実験まで幅広く自グループで行う必要があるため、業務が多岐にわたるのが特徴です。
新製品を生み出すため、既存の考え方に捉われないメンバーが集まっています。今回お話を伺ったAさんとKさん、Rさんの3人のチームは、ワンウェイクラッチを用いたディスコネクト機構を開発しました。
EV向けのワンウェイクラッチを用いたディスコネクト機構のイメージ

EV向けのワンウェイクラッチを用いたディスコネクト機構

近年、EV化が世界のメインストリームになっていく中で、EVにおける4WD車の割合がどんどん大きくなると予想されています。EVの場合、モータは車両の前後に搭載しており、通常は片側のモータだけを駆動させます。そうすると、動いてない側のモータはタイヤから連れ回されることで抵抗が生じ、走行中にロスを発生させることが問題となっています。そこで、本チームは、EVにおける4WD車の航続距離向上(損失低減)や低コスト化を目的に、ディスコネクト機構を開発。一般的にはクラッチとモータを組み合わせて、ディスコネクト機構とすることが多いですが、本チームではワンウェイクラッチを取り込むことで、メカニカルな機構のみでディスコネクトすることに成功しました。顧客の要請を受けてから約半年で完成というスピード開発でした。

フラットなコミュニケーションと
情報共有で、速やかな開発を実現

今回の開発でそれぞれが果たした役割を教えてください。

Aさん
私は、客先対応と、他部署との連携が必要な場合の調整などを行っています。また、自グループが担当する範囲をクリアにして、その内容に対して大体の製品コンセプトや開発イメージを検討するのも私の役割です。そこから具現化していく段階は、RさんとKさんにお願いしました。
Rさん
私の主な担当は、構造設計やモデリング、製図などです。また、試験装置を作る際に、計測器など装置一式の配線や動作パターンを考えなければならないのですが、そういった試験用設備の設計やその組み上げも私が行っています。
Kさん
私は、ギヤのオイル攪拌に関する流体解析と部品の強度解析を担当しました。
Aさん
それぞれに専門性があるので、設計や製図はRさん、解析系や計算系はKさんと、大まかに分かれています。でも、それだけでは割り振れない仕事が当然出てくるんですよね。それを誰が担当するのかは、お互いのスキルの範囲や状況を感じて「ここはお願いする」「ここは自分が取りにいく」「ここは一緒にする」と二人で自然に決めてくれている。それがすごく仕事がしやすくてありがたいですね。
Rさん
そうですね、なんとなく自然に分かれていますね。
Kさん
二人しかいないこともあって互いのボリュームや状況がわかるので、動けるほうが積極的に動く感じです。
インタビュー写真01

開発中、壁にぶつかったときはどのように乗り越えましたか?

Aさん
今回は、技術的な壁よりも時間的な壁が問題でした。とにかく短納期の仕事だったので、社内に協力を仰ぐ必要があったんです。他部署やグループ会社、海外の支店とも連携して、NSKの総力を結集して対応しました。このチームは、開発中に問題が発生しても「チームとして一緒に対応しよう」という姿勢でいてくれるので、大変ありがたいです。
Rさん
実働が私とKさんだけなので、二人でカバーできないことが発生したときは、別のチームにいる人や他部署の人など周りの人たちにも質問したり相談したりして、協力してもらうことで乗り切っていきました。
Kさん
私は、Aさんと密に相談していました。時間的な壁の話が出ましたが、前職では「外部とコミュニケーションを取るときに上司を通さないといけない」とか「事前に話す内容をまとめておかなければいけない」といったことがありました。でも、Aさんはある程度個人の裁量に任せてくれるので、「このように進めようと思います」と話すと「じゃあ、それでいこう」と言ってくれる。時間がない中、信頼して任せてくれたのはとても良かったですね。

このチームの良いところはどのようなところですか?

Rさん
私はグループリーダーですが、フラットな立場で仕事を進めることができるところですね。お互いの業務が見えているのもあると思いますが、Kさんに対してそんなに細かい指示を出さなくてもいい。お互いの状況を汲みつつ、先々のフォローをしていくスタイルで進めています。まあ、KさんともAさんとも席は隣ですし(笑)、改めて共有の場を持たなくても、日々の会話で共有できるのもいいところですね。
Kさん
お二人ともリーダーという立場ですが、本当にフラットに話をさせてくれるんです。「上司に説明するときは報告資料を作るべき」と考える人もいると思うのですが、エクセルベースで「こんな結果が出たんですけど」とすぐに相談できる雰囲気はすごくありがたいですね。だからこそ手戻りが少なく、効率的に仕事ができると感じています。
Aさん
本当に二人が気軽に話しかけてくれるので、進捗確認などはほぼしなくても何をしているか、どの程度の進捗度なのかは大体把握できています。そういった管理を改めてしなくてもいいのは、非常に助かっていますね。
インタビュー写真02

お互いのどんなところに支えられているかを教えてください。

Aさん
二人とも非常に相談がしやすいところですね。開発業務以外にも仕事は発生していて、私はそれをお願いしないといけない立場です。でも、二人ともそれを快く引き受けてくれたり相談に乗ってくれたりするので、助かっています。それに、二人とも壁をつくらず冗談も言い合えるので、非常にコミュニケーションが取りやすいんですよ。
Rさん
Aさんに「壁をつくらない」って言っていただいたんですけど、私はちょっとカジュアルすぎるというか、初対面の方に対する距離感がわからない時があるので(笑)、知らない人とのコミュニケーションはあまり得意ではなくて。でも、お二人がきちんと対応をしてくれるので、とても助かっています。
Kさん
技術面でいうと、私はまだまだ自動車業界に詳しくないので、お二人ともその辺りをいろいろと教えてくれるのでありがたいです。特にRさんは、本当になんでもできるオールマイティーな人。実験用の設備を作るのは大変なのですが、そういったところも担当してくれるのでとても助かっています。今は時間の関係でお任せしてしまっているのですが、せっかくRさんがいてくれるので、自分もいろいろと吸収していきたいですね。
インタビュー写真03

AさんとKさんはキャリア入社ですよね。入社当時、周囲のどのような対応に助けられましたか?

Aさん
キャリア入社だと、社内文化などが全然わからないので「なかなか入り込めないような状態だったらどうしよう」といった不安はありました。でも、Rさんやそれ以外のメンバーも、壁を作ったり「キャリア入社だから」と疎外感を感じさせたりすることはなかったですね。何のネットワークもない私に対しても非常に協力的で、安心できました。
Kさん
私も初めての転職だったので不安だったのですが、本当に入った瞬間からグループの一員として扱ってくれましたし、すぐに新製品の担当もさせてもらえました。どんどん仕事を任せてくれたので、その中でコミュニケーションもできたし、特に壁を感じることもありませんでした。
Rさん
私が新卒で入社して最初に配属となった部署では、キャリア入社の方や派遣の方と一緒に仕事をする機会が多くありました。だから、「キャリア入社だから」と意識したことは全然ないですね。それに、NSKは長い歴史がある分、どのようにして問題解決するかという手法が結構確立されています。でも、キャリア入社の方から前職で取っていた手法などを聞くと、「そういう方法もあるんだ!」と新しい知識を知ることができて、頭が柔軟になることもある。そういう意味では、キャリア入社の方々には非常にいい刺激をもらっていると思っています。
インタビュー写真04

転職後に良かったなと感じたことがあれば教えてください。

Aさん
「自分次第でなんでもできるんだな」と思えたところですね。最初の頃は、会社の仕組みが分からなかったので、なかなかそうは思えませんでした。でも、グループマネジャーになって、いろいろな部署の人とネットワークが徐々にできてくると、会社に影響を与えられるようなことも少しずつできるようになってきました。例えば、改善提案なども、具体的な理由や説明ができればちゃんと受け入れてくれる。自分の動き方次第で力量は発揮できると思えましたし、その点は転職前に期待していた以上でしたね。
Kさん
新しい技術についての理解があることですね。今私が取り組んでいる流体解析は、結果を出すのに結構時間がかかる技術です。会社自体がそのことを理解してくれていないと、やはり「なんでこんなに時間がかかっているんだ」と責められてしまうと思うんです。「1カ月で結果を出せ」と言われても出せるものでもない。なので、新しいことに取り組む上ではそういったことを上司や会社が理解してくれるのが一番大事なことなのではないかと思っています。その点、NSKはすごく理解があるのがいいですね。
※組織、役職名称は取材時のものです。