Vol. 1

常に最先端技術を取り入れ、工場の未来を支える

生産技術センター 知能化技術開発部 自動化グループ 移動型協働ロボット導入チーム
Vol. 1

常に最先端技術を取り入れ、工場の未来を支える

生産技術センター 知能化技術開発部 自動化グループ 移動型協働ロボット導入チーム

チームメンバー

  • シニアマネジャー
    Tさん
    新卒入社
    旧前橋工場の熱処理課に約1年勤務、その後4年間の国内留学へ。復職後は、旧生産技術研究所(現・生産技術センター)にて外観検査の業務に従事。その後、設備稼働状況をリアルタイムで把握できるシステムなどを開発する。さらに、ロボットを利用した搬送システムや組立ラインなどの開発にも携わる。IT・ロボット関連のグループマネジャーを経て、現部署発足時に部長へ就任。
  • 画像処理
    Xさん
    キャリア入社
    2019年にキャリア採用で入社。前職は、ロボットシステムインテグレータを行う企業で工場の生産ラインの自動化に従事。NSK入社後は、知能化技術開発部自動化グループにて、部品整列脱着の自動化のために移動型協働ロボットの開発に携わる。現在は、3Dシミュレータにも興味を持ち、3Dバーチャルシステムを活用した新規設備開発時における開発期間の短縮化も担当している。
    マネジャーからのコメント
    Comment
    Xさんは、ロボットに携わる女性エンジニアが非常に少ない中、SIerとして顧客の高い要求に応えてきた経歴を持っています。さらに外国籍ということで、今までのNSKにはない文化や習慣をも運び込んでくれる存在です。Xさんの視点からのモノ作りや開発でみんなを刺激していってほしいですね。とても真っ直ぐな人柄で、するべきことに向かっていつも一直線!リアルデジタルツイン※1などの新しい技術の習得にも意欲的で、前向きな姿勢が素晴らしいと感じています。現象の内部を詳細に観察し、そのカラクリの推理、モデル化を通じ本質を理解することで、既成概念を打ち破るソリューションを発想するNSK独自の開発手法
  • ロボットプログラミング
    Hさん
    新卒入社
    BtoCメーカーよりも社会を幅広く支えているBtoBメーカーに興味を持ち、NSKに入社。入社後約3年間、生産技術センター設備開発部にて軸受製品の組立・検査設備の機械設計・設備立ち上げに従事。その後、知能化技術開発部自動化グループへ異動し、移動型協働ロボットの開発に携わる。
    マネジャーからのコメント
    Comment
    自動化グループは、機械と電気、システムと総合的な知識と経験が求められる部署で、どれか一つの技術に特化していてできる仕事ではありません。Hさんご自身も「新しいことにチャンレンジしたい」と、機械設計を3年経験してから異動して来ましたが、初めての課題にもコツコツと熱心に取り組んでくれています。知らない技術を習得しようとする姿勢がとてもいいですね。ムードメーカーとして、チームを盛り上げてくれる存在です。

ロボットや画像処理を活用して、
工場の自動化・効率化を推進

生産技術センターは、生産性や検査レベルの向上、自動化・効率化などを目指し、NSK内の工場設備の開発・導入を行っています。中でも、知能化技術開発部は立ち上がってまだ5年ほどの新しい部署です。今回、お話を伺ったのは「自動化グループ」に所属するメンバーです。「自動化グループ」は、最新のロボットや画像処理を使って、これまでにない自動化設備を開発するミッションを担っています。TさんとHさん、Xさんにチームリーダーを加えた4人のチームで、自走式ロボット装置による自動化設備開発を進めています。
イメージ写真01

部品整列脱着自動化のための移動型協働ロボット

工場において、部品の脱着や搬送などは、複雑な作業のためなかなか自動化が進まない部分です。その課題を解決すべく、本チームはさまざまな設備に適合し、人の腕の代わりとなって働くことができる移動型協働ロボットを開発。市販の自立走行搬送ロボットと呼ばれている「AMR」をベースに、協働ロボットを上部に搭載し、着脱専用ハンドや画像処理などの機能を加え、設備化することに成功しました。

共に新技術に挑戦し、
共に解決策を考える

業務の進め方を教えてください。

Tさん
一般的な生産技術は、工場の維持管理をしたり、リピート品の設備を再導入して新しいラインを構築したりするものです。しかし、私たちは依頼を受けて作るのではなく、自ら工場に出向いてニーズを発掘して「こういった設備があればもっと効率化できるはず」と工場のマネジャー層と企画化します。その設備の仕様やイメージをHさんやXさんのような若手のメンバーに共有し、共感と理解を得て、分担して開発を進めてもらっている形です。

今回の開発では、どんな役割を果たしましたか?

Xさん
画像処理による位置補正と製品の姿の合否判定を担当しました。人間にたとえるなら、目にあたる機能ですね。今回の設備は移動型なので、画像でロボットの位置をチェックしたり、部品が必要な数が入っているかを確認したりする機能を開発しました。
Hさん
私が担当していたのは、主にロボットによるハンドリングや動作のプログラムと設備全体の動きの作成です。これは、人間での脳にあたる部分で、「いつ、どんな動作を、どこまでするのか」といった指示を出す機能を開発設計しました。
インタビュー写真02

開発中、壁にぶつかったらどのように乗り越えましたか?

Hさん
壁はたくさんあったのですが(笑)、困っていることや課題をチームに発信して知恵を出し合ってきました。普段からお互いの業務内容を理解できていないと、そういった時に個人任せ・他人任せになってしまうと思うんです。でも全員が、各自何をしているのかを把握しているし、理解もしているのでアドバイスがしやすい。悩んでいると周りのメンバーがすぐにアイデアを出してくれます。
これは、チームがひとつの目標を共通認識として持てているのも大きいかなと思います。どうしたらもっと良い装置を開発できるか、常に全員が考えている。だから、「こうしたほうが良い」と思うことがあればそれは早く伝えますし、聞いてくれる雰囲気がありますね。
Xさん
グループ内にはいろいろな技術を持った人たちがいるので、わからないことがあった時に相談できる相手はたくさんいます。何かあったら力を合わせ解決しようとしてくれるのはありがたいですね。
このロボット設備を開発している時も、思ってもいなかったような不具合がたくさん出て大変だったんです。そのたびにHさんと相談して、一緒に悩んだり解決策を考えたりして対応していきました。私たちだけで解決できないときは、チームリーダーやTさんにも相談し、おかげでなんとか解決できました。
Tさん
チームリーダーもいてくれますから、私はそういった時は、あまり口を出さず温かい目で見守っています(笑)。
インタビュー写真03

チームメンバーのどんなところに助けられていますか?

Xさん
Hさんは席も隣で、私にとって最初に相談できる相手です。私もHさんも、システム関係はまだ経験が浅いので一緒に勉強しているのですが、Hさんは細かいところにもすぐ気が付いてくれるのでいつも助けられています。それに、思考の幅も広くて思ってもみないアプローチを提案してくれるので、すごく仕事が進みます。今回のロボットも、彼が設計した設備の画面は非常に見やすく、センスがいいと感じています。
Hさん
私は2020年秋に異動してきたので、このチームには後から参加した立場です。だから、教えてもらわないと状況がよくわかりませんでした。でも、先に進めてくれていたXさんに質問すると、とても丁寧に教えてくれました。現状を理解して初めて、私も自分の意見を言ったり強みを発揮したりができるので、Xさんの対応は非常にありがたかったですね。
それに、私は機械設計以外のことにもチャレンジしたくてこの部署に異動させてもらったのですが、まだ経験が浅くても、するべきことのポイントをしっかり押さえていれば、Tさんやチームリーダーからも幅広く仕事を任せてもらえます。それは、チームとしてお互いを信頼し、サポートし合えているからかなと感じています。
インタビュー写真04

チームに改めて感謝したいことがあれば教えてください。

Xさん
私は海外出身で初めての転職ということもあり、不安に思う部分もありましたが、チームの一員として受け入れてくれたことを本当にありがたく思っています。
Tさん
育ってきた文化も習慣も違いますが、基本的に本人の意思を尊重したいと私は思っています。もちろん、会社独自の長年培ってきた習慣は多少ありますが、それ以外の「日本はこうだから」といった考え方は排除していきたい。だから、私たちとしては、Xさんに対して特別気を遣ったつもりはありません。けれど、Xさん自身は最初の頃にそういったプレッシャーを感じていたのでしょうね。
NSKは100年の歴史があるが、変えるべき習慣も残っている。だからこそ、Xさんの視点から生み出される新しい提案を受け入れて、どんどん変えていきたいですね。
Xさん
入ったばかりの頃はお互いに慣れない部分はあったのですが、みんな優しくしてくれました。話しやすい人ばかりですよ。特にTさんは、実験の状況をよく確認してくれますし、実験がうまくいかなかったらアドバイスをくれて、私たちの諦めてしまいそうな心を励ましてくれます!
インタビュー写真05
Tさん
新しいものを生み出す仕事ですから、こういった設備は簡単にできるものではありません。うまくいかないことが続くと、どうしてもくじけそうになってしまうんですよ。でも、仕事は楽しく取り組んでほしいですから、前向きな気持ちになれるよう、声かけをしています。
Hさん
本当に話しやすくて、Tさんが実験場に来てくれた時には、私もいろいろ話を聞いてもらっています。自分が困っていることを言葉にしてTさんに説明することで問題が明確になったり、いただいたアドバイスをきっかけに問題が解決したりすることもある。すごくありがたいですね。普通だと部長と話をする機会はなかなかないと思うんです。でも、このチームは上司の方が何気なく声をかけてくれるので、頑張っているのを見てくれているという安心感もあるし、やる気も出ます。
Tさん
HさんもXさんも、新しいもの、自分の知らないものにチャレンジしていく姿勢が素晴らしい。二人が持つ「新しいもの・知らないものに触れたい」という動機って、この仕事においてはとても重要だと思います。
私たちが作っているものは、常に世の中の最先端のものをいち早く取り込まなければなりません。そして、今の最先端は5年後、10年後には当たり前のものになっている。だから、5年先のものに今取り組んで、新しい発想の設備をどんどんクリエイティブに作り上げていかなければならない。でも、先達がいない仕事ですから思うようにいかないこともありますし、自分で新しく築き上げていかないといけないから大変です。でも、5年後、10年後にHさんやXさんのような若い人たちが工場の未来を描いていく時に、今の経験がきっとすごく役に立つと思います。新しいことに興味を持ってもらって、どんどんチャレンジしてもらいたいですね。
※組織、役職名称は取材時のものです。