社員インタビューNSKで築くキャリア

PROFILE

産業機械事業本部 
産業機械技術総合開発センター
産業機械軸受技術センター 
風力・大型機械技術部
2014年入社
システムデザイン研究科 
航空宇宙システム工学域修了

多様なベアリングの
世界を究めていきたい。
常にチャレンジを持続する意志を胸に。

CAREER
STEP

CAREER STEPこれまでのキャリア

  • 入社時ベアリング設計(工作機械)

    精密軸受技術部にて、主に工作機械に採用されるベアリングの仕様検討を担当した。さらに、製品のトレーサビリティ(追跡可能性)を可能とするスマートフォンアプリの開発にも取り組む。

  • 入社5年目ベアリング開発

    技術研究開発センターに異動。ベアリング解析オリジナルツールのバージョンアップに取り組む。計算ソフトの高度化により、高精度のベアリングを実現し、顧客からも高い評価を受けた。また、1ヶ月の育児休暇を取得し、充実したワークライフバランスを保っている。

  • 入社8年目ベアリング設計(風力発電機)

    風力・大型機械技術部に異動。現在、風力発電機に採用されるベアリングの設計を担当。同じベアリングといっても工作機械とは求められる機能、品質保証等、大きく異なるのが風力発電の世界。ベアリング技術者として新たなステップを踏み出している。

THE BEGINNING OF A CAREER入社当時

ベアリングの仕様検討、アプリ開発など多様なチャレンジを行う。

大学院では、摩擦、摩耗、潤滑などの現象を対象とする科学である「トライボロジー」を専攻しました。航空宇宙領域を研究対象とし、真空状態におけるマイクロテクスチャリングが潤滑特性に及ぼす影響など、流体力学の解析に取り組みました。NSKの主力製品であるベアリングはトライボロジーと深い関わりがありますが、それだけで入社を決めたわけではありません。就職するにあたって、「どんな人と仕事ができるか」をとても重視していたため、出会った先輩方の人間的な魅力に惹かれ、「この人たちと一緒に仕事をしたい」と思えたことが大きな動機となりました。
入社後は、精密軸受技術部にてベアリングの仕様検討に取り組みました。今でも印象に残っているのが、高精度や長寿命化などのスペック向上を目指し、製造図面を幾度も修正しながら、数百枚描いたことです。夢にまで出てくるような仕事でしたが、この経験によって、ベアリングそのものの知見を深められたと思っています。
また、この時期にスマートフォンアプリの開発も担当しました。これはトレーサビリティ(追跡可能性)の向上を目指すもので、顧客は意匠箱に印刷された二次元コードを読み取ることでベアリング個体ごとの正確な製品情報を電子データで取得可能となります。 このことにより、開封による確認が不要となり、また、電子データ管理により、ベアリングの選別を自動化し業務効率化や使用履歴・トレーサビリティの向上、二次元コードで正確な製品情報を把握することが可能となります。必要とする製品との最適なマッチングをアプリでできることで、顧客の業務効率化に貢献でき、達成感を味わうことができました。

SKILLNSKで得たスキル・知識

設計、開発での経験を通して、製品内部で起こる現象をイメージできるように。

その後、製品設計の基盤となる研究開発を担う部署に異動しました。ここで取り組んだのは、ベアリング解析ツールの開発・改修です。既存の計算ソフトをアップデートし、プログラムを高度化することがミッションでしたが、そのために新しい理論の導入に取り組みました。解析と一言で言っても幅広く、例えば、ベアリングが高速で回転すると遠心力で外に膨らむ一方で、幅方向に収縮する現象が起こります。その現象を高い精度で解析できれば、より高いスペックの製品設計が実現します。
製品内部の現象というのは簡単に解明できませんが、内部で起こる現象をイメージできるようになったのは、設計、開発それぞれのアプローチで取り組んだ成果だと思っています。技術者にとって、製品内部の現象をイメージできることは重要な要素だと考えており、開発・設計の武器となる非常に有効なスキルを得られたと感じています。また、顧客や社内の課題を自分事として考える当事者意識、責任を持って自ら発信・提案する姿勢など、設計・開発各部署での多くの人との出会いが、それらマインドを培ったと思っています。

FUTURE今後
やりたい仕事

「摩擦」の世界を紐解き、
ベアリングにさらなる進化をもたらしたい。

現在は再び、設計の部署に所属していますが、新しく担当することになった風力発電機用ベアリングと、かつて担当していた工作機械用ベアリングでは設計業務内容が大きく変わりました。工作機械のベアリングは内径約70mmで、精度は数ミクロン、回転数は1分間で30,000回転以上といった高精度・高速が求められる世界。一方、風力発電機のベアリング内径は400~600mmとベアリングそのものが巨大であり、作用する荷重も非常に大きなスケールとなります。
また、その他の特徴として、ベアリングは地上数十メートル~数百メートルを超える高所で使用されため、トラブル発生時の交換が容易ではありません。そのため強度と耐久性を保ち、数十年間安定稼働する安全なベアリングが必要であり、その品質を保証することも求められてきます。このように、一概にベアリングの設計と言っても、使用される機械によってその要求仕様も設計思想も大きく異なり、日々新たな知識をインプットしながら業務に取り組んでいます。
また、入社以来、一貫してベアリングに関わってきましたが、画一的ではないとても多様な技術が広がっていることを実感しています。表面科学の複雑さは「個体は神がつくりたもうたが、表面は悪魔がつくった」と言われるほど、「摩擦」という現象は不可思議な世界。その世界を紐解いていくことがベアリングの進化に繋がっていきます。まだ見ぬ世界にチャレンジする意志を持続させることで、技術者として大きく成長していきたいと考えています。 ※組織、役職名称は取材時のものです。