社員インタビューNSKで築くキャリア

PROFILE

技術開発本部 
新領域商品開発センター
技術開発第一部
2010年入社
自然科学研究科 
産業創成工学専攻修了

誰かのためになる
技術を提供することこそが、研究者のミッション。

CAREER
STEP

CAREER STEPこれまでのキャリア

  • 入社時研究開発(ロボット)

    先端技術研究開発部門に配属。「細胞操作マニピュレーションシステム」の開発プロジェクトに参加。その後、視力障害者や高齢者をサポートするガイダンスロボットを開発、リリースした。

  • 入社9年目米国留学

    米国・カリフォルニア大学に2年間留学。ロボットの一つである「柔軟物把持のハンド」開発に取り組み、カタチにした。その成果を2022年に国際学会で発表し、達成感を得た。

  • 入社11年目研究開発(バイオ・医療)

    新領域商品開発センターに配属。以来、現在に至るまでバイオ・医療領域での細胞培養などの自動化装置開発に取り組んでいる。ビジネス化を見据えた事業企画も担当している。

THE BEGINNING OF A CAREER入社当時

学生時代に得た、ロボットの知識を活かせる喜び。

大学院で研究していたのは、災害現場などで活用されるレスキューロボットです。特に動力源であるアクチュエータを研究テーマに、従来の油圧シリンダーに代わる、より軽くてパワーのある新しいアクチュエータの開発に取り組んでいました。博士課程まで進みましたが、そのまま大学に残るのではなく、大学院で得た知見を民間企業で活かすことで社会に貢献したいと考え、就職の道を選びました。
入社後に配属されたのが、ロボットの研究開発部門でした。入社前から多くの製品にベアリングが関係していることは知っていたため、ベアリング関連業務に就くと思っていましたが、自分がロボット分野に携われることに驚き、知見を活かすことができる!と、とても嬉しかったことを覚えています。当時配属されたプロジェクトが、「細胞操作マニピュレータシステム」の開発。これは、細胞などの微小な材料を操作するツールで、NSKの精密位置決め駆動技術や画像処理技術が導入されており、高精度が要求される人工授精などに適用されるものです。この製品では、細胞ステージ(シャーレ)のメカトロ部分の設計を担当しました。

SKILLNSKで得たスキル・知識

2年間の米国留学によって、研究者としての自信を得られた。

その後、取り組んだのがガイダンスロボットの開発です。これは病院などで、視覚障害者や高齢者などが障害物を回避して目的地までたどり着けるように誘導するロボットです。徹底した安全重視が求められる中、視覚障害者の声を聞いて実証実験を行い、ISO13482認証を取得して、発表に漕ぎ着けることができました。
入社9年目には、2年間の米国留学の機会を得ました。ここで取り組んだのは「柔軟物把持のハンド」の開発です。たとえば、弁当食材の箱詰。すでに工場ラインにロボットは導入されていますが、高額かつ動作が遅く、柔軟物にたいしてフレキシブルに対応することは困難でした。そこで私は安価かつ早く、どの食材にも柔軟に対応するハンドの開発を目指しました。バネやワイヤーといったシンプルな部品で構成し、イメージしたハンドの開発に成功し、2022年に国際学会で報告しました。実用化にはまだ改善が必要ですが、一つの達成感を味わった経験でした。
これまで国内、海外でロボット開発に取り組んできましたが、この間、メカトロ設計技術やシステム設計技術、実証実験やEMC(電磁波ノイズ)試験、性能テストの方法など、研究開発に必要な多彩なスキルを習得しました。またこの間、多くの人脈を作っていく中で、目的達成に向けて人を巻き込んでやり遂げる力を得たと実感しています。特に米国での経験は、技術者としての自信を手にできたと感じています。

FUTURE今後
やりたい仕事

バイオ・医療領域に挑み、
社会にもっと大きな貢献を。

現在取り組んでいるのは、バイオ・医療領域での自動化装置開発です。バイオ・医療はこれから必要とされる分野であり、大きなポテンシャルを秘めています。今回のプロジェクトは単に研究開発として成果を出すのでなく、事業企画から着手しており、ビジネスとして成立させることを見据えて、バイオ・医療領域で確かな成果を生み出したいと考えています。バイオ・医療研究者など、まったく異なる業界の人たちとコミュニケーションを取ることが多くなりましたが、ニーズから考えたものづくりを実践していきたいですね。
将来的には、ユーザーに寄り添う優しさとニーズをカタチにする強い意志、周囲の賛同を得られるビジョンを語れる技術者に成長したいと考えています。そこに困っている人がいるのなら、助けを必要としている人がいるのなら、その人たちのために技術を提供したい。新たな技術の社会実装によって社会に貢献していく、それが技術者のミッションだと考えています。 ※組織、役職名称は取材時のものです。