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事業等のリスク

当社グループの事業展開、経営成績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性がある主なリスクには以下のようなものがあります。
なお、文中における将来に関する事項は、2017年11月9日現在において当社グループが判断したものです。

(1) 国、地域、産業の経済状況

当社グループは、グローバルに広範囲の国と地域で製品を製造、販売しています。また、取引先も自動車をはじめとする多岐の産業にわたっています。従いまして、これらの国、地域または産業における経済状況の変化は、当社グループの業績と財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

(2) 市場変化への対応と競争環境

当社グループ製品の販売は、厳しさを増す企業間競争や取引先のグローバル展開等、急速な市場環境の変化にさらされています。
例えば、産業機械事業における標準玉軸受に関しましては、中国地場の軸受メーカーの台頭は汎用品のグローバルな市場価格の下落となってあらわれてきています。当社グループは高品質軸受分野における事業の拡大や技術サービスの向上等、価格面以外での競争力強化を図っていますが、中国軸受メーカー等の低価格品の急速な伸張は、当社グループの業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、自動車事業におきましては、取引先のグローバルな生産展開や車種及び仕様の世界共通化等の変化に対応して、グローバルな供給拠点を有することが取引の必要条件となる場合も出てきています。当社グループは早くから海外における競争力のある生産拡充を進めていますが、事業または地域によっては、進出の遅れによる販売機会の逸失や需要変動への対応が遅れることにより、当社グループの業績と財務状況へ悪影響を及ぼす可能性があります。

(3) 特定分野への依存

当社グループは、販売全体の約7割を自動車軸受及び自動車部品が占め、また、精密機器関連製品におきましては半導体製造装置産業、工作機械産業向け販売比率が高い等、特定需要分野への依存率が高くなっています。産業機械軸受、精密機器関連製品におきまして需要の裾野の広い一般産業機械分野やアフターマーケット向けの相対的販売比率を高め、依存度の高い分野の需要の下方変動による影響の緩和を図っていますが、高依存度の特定産業分野における急激な需要の縮小は、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

(4) 取引先の信用リスク

当社グループの販売は大手の比較的安定した取引先向けの比率が高く、売上債権等にかかる回収リスクは全体としては軽微であると認識しています。また、貸倒れが懸念される債権につきましては、回収可能性を勘案して引当金を計上しています。
取引先の信用状況に関しましては、常日頃から情報収集の体制を築いていますが、予測していない事業環境の変化等による債権回収リスクが発生する可能性はあります。取引先の信用力低下、債務不履行等が生じた場合には、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

(5) 事業提携

当社グループはグローバルに複数の企業との提携によって事業を行い、相互の経営資源の有効活用を図るとともに、技術開発、生産活動等において提携効果の創出に取組んでいます。しかしながら、提携先の経営戦略の変更、財務状況の悪化等により期待した効果を実現できない場合には、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

(6) 特定供給元への依存

当社グループは原材料並びに部品の調達につきましては併注を基本とし、1社に偏った供給依存を回避する方針を原則としています。しかしながら、その特性によっては技術的に供給元が限定される場合もあり、供給元の生産能力不足や品質不良または火災、地震等の自然災害、あるいは倒産その他の理由により必要な調達が出来なくなり、当社グループ製品の取引先への供給に支障をきたすリスクもあります。このような場合には、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

(7) 原材料の価格上昇

国際的な景気動向、需給関係の影響などにより、鉄鉱石、原料炭、スクラップ、原油等の原材料価格は大きく変動し、原材料の価格上昇局面では、当社グループの製品に使用する原材料及び部品の値上りが懸念されます。当社グループでは、国際調達やVA・VE活動などを通じて原価低減に努めると同時に、原材料費上昇分の製品価格への転嫁に努めますが、コストアップを吸収できない場合には、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

(8) 品質問題

当社グループの製品は多くの産業分野や最終製品で使用され、かつ高精度の機能を必要とする部位や自動車、鉄道車両、航空機等、人命を担う最終製品にも多く使用されています。当社グループは品質の重要性を認識し高い品質保証体制を確立していますが、万が一大規模なリコールや製造物賠償責任訴訟につながるような製品の不具合が起きた場合には、多大な費用の発生や社会的信用の低下等につながる危険性があり、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループはグローバルな製造物賠償責任保険及び一部の製品に関するリコール保険に加入していますが、損害賠償等の損失を十分にカバーできるとは限りません。

(9) 新製品開発

当社グループの新製品開発活動は、収益拡大のための重要な課題である新製品の市場への投入を目的に進めています。当社グループの製品に対する市場からの開発ニーズはその多様性を増し、ニーズの変化する速度も以前に増して速くなってきています。
新製品開発は製品が市場から評価され、販売されてはじめて収益に寄与しますが、新製品開発には以下にあげるものをはじめ、様々なリスクが存在しており、これらのリスクが回避できない場合、当社グループの業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

  • ①当社グループが市場ニーズを正確に捉えきれず、開発した新製品の販売が目標に達しない可能性があります。
  • ②製品開発と量産化の遅れにより、当社グループの製品の販売が低下する可能性があります。
  • ③競合他社の開発品または技術が知的財産権として保護され、当社の新製品開発を阻害する可能性があります。
  • ④当社グループが新たに開発した製品を代替する他社の新技術製品が出現する可能性があります。

(10) 知的財産権

当社グループは、開発した技術を特許等の知的財産権として権利化することが重要と考え、事業競争力維持拡大のために、国内外で知的財産権を取得しています。
しかしながら、知的財産権の重要性が増すに従い、以下のケースが発生した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性を完全に排除できるものではありません。

  • ①当社グループの知的財産権に対し、無効請求等を起こされる場合。
  • ②事業展開のためには、第三者の知的財産権につき実施許諾を得る必要があり、ロイヤルティの支払いが生じる場合、又は実施許諾が得られない場合。
  • ③第三者により知的財産権侵害の主張をされる場合。
  • ④特定の国または地域において、法的実効性が必ずしも十分でないため、不正競争品を効果的に排除できない場合。

(11) 海外事業展開

当社グループはグローバルに事業を展開しており、当連結会計年度における海外売上高は概ね6割強です。これらの海外市場での事業には、以下に掲げるような海外事業展開に共通のリスクがあります。

  • ①各国政府の予期しない法律または規制の変更
  • ②社会・政治及び経済状況の変化または治安の悪化
  • ③輸送の遅延、電力等のインフラの障害
  • ④為替制限、為替変動
  • ⑤各種税制の不利な変更または課税
  • ⑥保護貿易諸規制の発動
  • ⑦異なる商習慣による取引先の信用リスク等
  • ⑧異なる雇用制度、社会保険制度
  • ⑨労働環境の変化や人材の採用と確保の難しさ
  • ⑩疫病の発生

(12) 災害・テロ等

当社グループ及び当社グループ取引先の事業拠点が地震、洪水、火災、雪害、原発事故、新型感染症の発生等の災害やテロ攻撃または政治情勢の変化に伴う社会的混乱による物的・人的被害を受けた場合、当社グループの生産・販売活動に悪影響が及ぶ可能性があります。
また、火災、自然災害等による被害につきましては保険によりその全てが補償されるわけではありません。災害及びテロへの対策は重要な経営課題の1つであり、被害を最小化するための事前対策及び事業を継続するための対策を実施していますが、完全にリスクを回避することは困難です。

(13) コンプライアンス

当社グループでは、法令・倫理遵守(コンプライアンス)の徹底を目的に「NSK企業倫理規則」を制定し最も重要と考えられる以下の16項目についてコンプライアンスのための行動指針を定め、イントラネット等による掲示・配布、eラーニングや集合研修等による教育を通じて役員・従業員に周知することにより、コンプライアンス・リスクの軽減を図っています。しかしながら、このような対策にもかかわらず、従業員の不注意や誤った認識等によりコンプライアンス違反が発生し、それに伴い当社グループが刑事上、民事上、行政上の責任を負い、さらには社会的信用を失い、また経済的損害を受ける可能性がないとは言えません。

  • ①競争法の遵守
  • ②輸出入関係法令の遵守
  • ③贈収賄行為の禁止(接待、贈答などの取扱い)
  • ④公的機関との取引及び政治献金の取扱い
  • ⑤正確な記録及び処理
  • ⑥インサイダー取引の禁止
  • ⑦知的財産権の取扱い
  • ⑧違法行為・反社会的行為の禁止
  • ⑨会社財産の保護
  • ⑩企業秘密・個人情報の取扱い
  • ⑪お客様との関わり
  • ⑫調達取引先との関わり
  • ⑬競合他社の信用毀損行為の禁止
  • ⑭差別の禁止と健全な職場環境の整備
  • ⑮労働における基本的権利の尊重
  • ⑯地球環境の保全

当社及び当社の一部子会社は、その製品の取引に関して競争法違反の疑いがあるとして海外の関係当局による調査等を受けており、当社グループは、これに対して全面的に協力しています。
上記調査等の結果として、今後、課徴金等による損失が発生する可能性がありますが、現時点ではその金額を合理的に見積ることは困難であり、当社の経営成績等に与える影響は明らかではありません。
なお、当社は、2013年3月に、ベアリング(軸受)の取引に関して、公正取引委員会から、排除措置命令及び課徴金納付命令を受けました。課徴金納付命令につきましては、2013年5月に、公正取引委員会に審判請求を行っておりましたが、2017年3月に棄却する旨の審決を受け、当社が審決取消訴訟を提起しないことを決定したことから命令が確定しました。なお、当社は、2013年3月期に課徴金相当額を特別損失として計上しており、今後の業績に与える影響はありません。

(14) 訴訟対応

当社グループは製造業であり、従来及び現在の訴訟の多くは製品の取引に関するものです。特に製造物責任に関する訴訟リスクを負っていると言えます。
製造物責任に関する訴訟に至った場合の応訴と賠償につきましては、当社グループは製造物賠償責任保険に加入していますので、保険が適用される場合もありますが、この保険は無制限、無条件に当社グループの賠償負担を担保するものではありません。
当社並びに当社の日本、米国、カナダ及び欧州の一部子会社は、米国及びカナダにおいて、他の被告らとともに、原告である軸受製品等の購入者の代表者等から複数の集団訴訟の提起を受けています。原告は、被告らが共謀してこれらの国において軸受製品等の取引に関する競争を制限した等と主張し、被告らに対して損害賠償、対象行為の差止めをはじめとする請求を行っています。なお、当社並びに当社の日本及び米国の一部子会社は、米国において、集団訴訟の原告の一部である間接購入者等との間で和解に合意しています。また、当社及び当社の欧州の一部子会社は、英国において、他の被告らとともに、原告である一部顧客から過去の欧州競争法違反行為に関連して損害賠償請求訴訟の提起を受けています。
(詳細につきましては、当社「有価証券報告書」、「四半期報告書」をご参照ください。)
当社又は当社の子会社若しくは関係会社は、上記訴訟と同種又は類似の訴訟等を今後提起される可能性があります。当社グループとしましては、原告等による請求に対して、適切に対処していきます。また、当社グループは、上記訴訟等の状況に応じて、原告等との間で個別に和解の可能性も検討していきます。

(15) 情報システム

当社グループは、販売・製造・物流・研究開発・会計を含む様々な業務の運営を管理・サポートするため、様々なネットワーク及びシステムを利用しています。これらシステムには十分な安全対策を施していますが、ハッカーからのサイバー攻撃、外部システム提供者のサービス停止、天災等により障害が発生した場合は、復旧に長時間を要する可能性があります。このような事態が生じた場合、生産活動・物流管理・販売活動などに支障をきたすと共に、製品出荷の混乱により顧客の生産計画に影響を及ぼし、損害賠償や顧客の信頼を損なう可能性があります。

(16) 情報管理

当社グループは、多くの重要情報や個人情報を適切な手続きに基づき入手すると共に利用しています。これら情報の外部への流出及び目的以外への流用等が起こらないよう情報セキュリティーポリシーを定め、周知徹底及び運用を図っていますが、サイバー攻撃等、予期せぬ事態により流出する可能性は皆無ではなく、このような事態が生じた場合、重要な業務の中断や、法的請求、社会的信用の失墜、その対応のために生じる多額の費用負担等のリスクが存在しています。 その結果、当社グループのブランドイメージや経営、財政状態及びキャッシュフローに悪影響を及ぼす可能性があります。

(17) 情報開示及び株主利益

当社グループは適時開示に関わる運用体制を整備し、会社情報の公正かつ適時適切な開示及び財務報告の信頼性の確保等に努めていますが、法令・通達等の制定・変更あるいは証券取引所のルール改定等、社会的要請の変化への適切な対応が十分でない場合、情報開示の適切性を欠き、市場での株主価値の下落並びに株主にとっての不利益を招来する可能性がないとは言えません。
また、金融商品取引法に基づく財務報告に係る内部統制の有効性の評価又は監査において、重要な欠陥又は不備を指摘される可能性もないとは言えません。

(18) 環境問題

当社グループの事業活動は、大気汚染、水質汚濁、環境負荷物質、廃棄物処理、地球温暖化防止、エネルギーなどに関する様々な環境関連法令の適用を受けています。当社グループは環境保全活動を重要な経営方針のひとつとして掲げ、環境マネジメントシステムの充実を図っており、これまで重大な環境問題を生じさせたことはありません。しかし、将来不測の事態により環境問題が生じ、損害の賠償、製品の回収、生産の停止、浄化等の費用負担、罰金等の行政処分を受けることや社会的信用を失墜する可能性、あるいは新しい規制が施行され多額の費用負担が生じる可能性がないとは言えません。

(19) 人材確保

当社グループは競争力を維持するため、優秀な人材を継続的に確保・採用し、育成することが必要であると考えています。各分野での有能な人材確保における競争は高まっており、当社グループが人材を確保し育成できない場合には、事業の拡大にも支障をきたし、悪影響を及ぼす可能性があります。

(20) 労使関係及び労働環境

当社グループは安定した労使関係の構築に努めています。日本におきましては労使協議会を定期的に開催し、職場環境、労働条件の改善について協議しており、労使関係の悪化による事業リスクは少ないと考えています。しかし、海外においては、労使慣行の相違が存在し、また法制度の変化、経済環境の変化、社会環境の変化等予期せぬ事象を起因とした労使関係の悪化、労働争議の可能性があり、その場合には事業の遂行に制約が生じる可能性があります。
また、安全で働きやすい職場環境作りを目指して取組んでいますが、設備の不具合、作業者の標準作業の不遵守等により、労働災害が発生する可能性があります。特に重大な労働災害が発生した場合には、事業に悪影響を及ぼす恐れがあります。

(21) 為替及び金利の変動

当社グループはグローバルに販売及び生産等の事業活動を展開しており、外貨建商取引及び投資活動等の損益は為替変動の影響を受けます。また、有利子負債の削減を軸に財務体質の強化に努めていますが、金利上昇は支払利息の増加を招き、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。当社グループは為替変動及び金利変動の悪影響を軽減すべく、外貨建債権債務の均衡を図り、また、社内規定に従い必要に応じヘッジ取引を行っていますが、その影響を完全に回避できるとは限りません。
さらに、為替変動により、売上高が目減りしたり、材料・部品の仕入れ価格が上昇し、製造コストに悪影響を及ぼす可能性もあります。
その他、海外関係会社の財務諸表は主に現地通貨で表示されていますが、連結財務諸表の作成の際に円換算しています。従いまして、現地通貨における価値が変わらない場合でも、円換算後の当社グループの資産及び負債、収益及び費用は為替変動の影響を受けます。

(22) 退職後給付

当社及び一部の国内子会社は、従業員の退職後給付に充てるため、確定給付型の年金制度及び退職一時金制度を有しています。また英国等の海外子会社でも確定給付型の制度が一部存続しています。
当社グループの退職給付費用、確定給付制度債務及び制度資産は、割引率等数理計算上で設定される前提条件に基づいて算出されています。従いまして、その前提条件の変更や制度資産の運用成績の悪化、信託している株式の株価下落、並びに会計基準の変更等が当社グループの業績及び財務状況へ悪影響を及ぼす可能性があります。