「ポール式ワンウェイクラッチ」を開発

~ハイブリッド車の燃費向上、EV性能向上に貢献~

日本精工株式会社(本社:東京都品川区、代表者:取締役 代表執行役社長 内山 俊弘、以下NSK)持分法適用会社であるNSKワーナー株式会社(本社:静岡県袋井市、代表者:代表取締役社長 桑城 栄、以下NWC)は、自動車パワートレイン(以下PT)向けに「ポール式ワンウェイクラッチ」を開発しました。

本製品は、ハイブリッド機構の中の、エンジンとトランスアクスルの連結部分に無潤滑環境下で使用されるワンウェイクラッチで、2モーターハイブリッド車のEV走行時に、エンジンの逆転を防止する機能を担い、EV走行を最大化します。また、エンジン走行時には、空転時のドラグを90%低減し、燃費向上に貢献します。NSKは、本製品の売上として2022年に年間20億円を目指します。

ポール式ワンウェイクラッチ

 

開発の背景

近年、燃費規制の強化、各国規制によってグローバルに自動車の燃費向上、新エネ車(EV、PHV)の投入が拡大しています。自動車のPTでは燃費向上を目的に潤滑油の少油量化やドラグ*低減が進められています。そのため、無潤滑環境で使用出来、空転時のドラグを低減可能なワンウェイクラッチが必要となっていました。従来のスプラグ式やローラー式のワンウェイクラッチは潤滑が必要で、摩擦力で動力を伝達するため、サイズ・ドラグ低減が課題となっていました。

NWCは無潤滑で使用でき、空転時にドラグ低減が可能な新構造のメカクラッチとしてポール式ワン ウェイクラッチを開発しました。

*ドラグ:引きずりに伴う損失

本開発品の特長

(1) 無潤滑環境対応
空転時にポールと内輪が非接触となるポール式の採用及び構成部品のポールや内外輪に潤滑剤コーティングを行なうことで無潤滑環境での使用が可能となりました
(2) 空転ドラグの低減
空転時に設定回転数でポールが回転力で離れ、ポールと内輪が非接触となることや無潤滑環境で使用することで、従来品に比べて、90%ドラグを低減しました。
(3) 小型・軽量化
摩擦力でトルク伝達する従来構造のワンウェイクラッチと比較して、トルク容量を2.5倍に高め、小型軽量化を実現しました。
(4) バックラッシュ(ガタつき)の低減
ポール間の噛み合い位相を変えることで、ラチェットタイプ(ポールタイプ)の課題の一つであるバックラッシュを大幅に低減しました。
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引摺り測定結果
引摺り測定結果

 

本製品の効果

本製品は、ハイブリッド車のEV性能の最大化、燃費向上に貢献します。

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