「一般産業機械向けインバータモータ用絶縁軸受」を開発

~省エネルギー化に貢献~

一般産業機械向けインバータモータ用絶縁軸受

日本精工株式会社(本社:東京都品川区、代表者:取締役 代表執行役社長 内山 俊弘、以下NSK)は、「一般産業機械向けインバータモータ用絶縁軸受」を開発しました。本製品は、省エネルギー化のためインバータモータの採用拡大に対応し、ポンプ、圧縮機およびファンなどに使用される一般産業機械向けインバータモータ用として、最適な性能を有しています。

NSKは、インバータモータ採用の課題となっていた軸受の絶縁性能を高め、本製品の売上として2020年に年間10億円を目指します。

開発の背景とコンセプト

一般産業機械モータでは、高効率化のためインバータ制御の採用が拡大しています。これに伴い、軸受に電食*と呼ばれる損傷が発生するケースが見受けられます。

電食対策としては、電流を通さないセラミックボールを使用した軸受の採用がありますが、生産性が課題となっていました。また、モータに絶縁ハウジングを設ける方法もありますが、専用部品と特殊な組立工程が必要でした。そこで、NSKは、生産性が高く、標準品と互換性がある新たな絶縁軸受を開発しました。

*電食: 回転中の軸受の軌道輪と転動体との接触部分に電流が流れた場合、薄い潤滑油膜を通してスパークが発生し、その表面が局部的に溶融し凹凸となる現象。

製品の特長

1. 高い絶縁性能
生産性の高いアルミナ系セラミック溶射材を外輪にコーティングし、最適な添加剤を配合することで、約10倍以上 絶縁性能向上を実現しました。これにより、軸受の電食発生を防止します。
2. 耐久性の向上
  • 軸受諸元の最適化により、皮膜の耐衝撃性を約3倍以上向上しました。
  • 最適なセラミック溶射材の採用により、優れた放熱性を可能にしました。

製品の効果

一般産業機械モータの信頼性を向上させ、インバータモータの採用拡大に貢献します。

開発のコンセプト
開発軸受の性能
開発軸受の性能
放熱性試験結果
本製品の展開

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