「ナビゲーション機能付き障害物回避先導ロボットLIGHBOT™(ライボット)」を改良

~実用化に向けて扱いやすさを向上~

ナビゲーション機能付き障害物回避先導ロボットLIGHBOT

日本精工株式会社(本社:東京都品川区、代表者:取締役 代表執行役社長 内山 俊弘、以下NSK)は新たな機能により利便性と安全性を高めた改良型の「ナビゲーション機能付き障害物回避先導ロボット」を開発しました。NSKは、神奈川県総合リハビリテーションセンター(神奈川県厚木市)の協力を得て、実際に近い使用環境で、2014年度に「ナビゲーション機能付き障害物回避先導ロボット」の実証実験を約半年間行いました。本開発品は、想定ユーザーの使用体験から得られた知見を活かして、改良を加えたものです。
NSKは12月2日(水)から12月5日(土)まで、東京ビッグサイト(東京都江東区有明)で開催される「2015国際ロボット展」に本開発品を出展します。
2016年秋の実用化に向けて今後も信頼性の向上に取り組んでまいります。

本開発品の特長

(1)インタフェース機能の強化による利便性の向上
従来の開発品では、ユーザーがロボットに取り付けられたボタンを複数回押すことで、目的地を選定し、グリップに手を載せるとロボットが自動的にユーザーを目的地まで誘導案内しました。これに対して、今回の開発品は、視覚障がい者だけでなく一般の方、特に高齢者の方にも対象を広げており、晴眼者はタッチパネルで多数の候補地から容易に目的地を設定することができるようになりました。これにより、40前後の診療科を有する大病院での誘導案内も可能となりました。タッチパネルの操作ができない視覚障がい者の方がロボットを使われる際は、施設のスタッフが目的地を設定します。途中で視覚障がい者の方がトイレなどへ立ち寄りたい場合には、リモコンを使って設定できるようになりました。
(2)高齢者ユーザーへの配慮
従来の開発品は、グリップの高さが110cmあり、身長の低い高齢者が使用する際に、手を肩よりも上に上げなければならず身体的な負担が発生していました。本開発品では、政府統計データ*に基づき、メインユーザーである高齢者の平均身長約158cmと想定し、グリップの高さを地面から96cmとしました。
*:文部科学省「平成26年度 体力・運動能力調査」
(3)既存機能の継承
従来からの開発機で培ってきた以下の機能についても、信頼性を検証した上で、継承しております。
  • 各階の天井のマーカーを検出して現在位置を認識することで、エレベータを使って建物内のどの階でも使用することが可能です。
  • 周囲の注意を喚起する音声ガイダンスでの進路案内を行います。
  • バッテリーを取り外さずに手軽に電源コンセントから充電できます。

本開発品の想定用途

NSKはバリアフリー環境において、進路上の障害物を認識して、回避、停止する車輪型移動ロボットを開発してきました。本技術は、盲導犬や介護犬の代用、車椅子の機能向上、高齢者の移動支援などを目指したものです。病院、オフィスビル、商業施設などの初めての場所や迷いやすい慣れない場所で、視覚障がい者や高齢者をはじめとした多くの方を安全に目的地までご案内します。
また、施設側では、今回の開発品により来場者への職員による場所の案内や誘導などの負担軽減が期待できます。

本件に関する各種の団体からのご支援など

  • 神奈川県:平成25年度~27年度「さがみロボット産業特区」重点プロジェクトに指定。実証実験場所のご紹介、実証実験被験者の公募などのご支援。
  • 神奈川県総合リハビリテーションセンター:更生ライトホームの視覚障がい者支援員の方のご協力、ご助言。病院棟での本実証実験への参加、ご協力とご助言。
  • 厚生労働省:平成26年度、27年度障害者自立支援機器等開発促進事業に採択。
  • 日本網膜色素変性症協会(JRPS)神奈川支部の皆様からのご協力。

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