クリープフリー™軸受シリーズ拡大

高温用固体潤滑被膜軸受

日本精工株式会社(本社:東京都品川区、代表者:取締役 代表執行役社長 大塚 紀男、以下NSK)は、ファンモータやポンプ用モータのクリープ防止に広くご使用頂いている、「クリープフリー™軸受」のシリーズを拡大しました。本シリーズは、優れた耐クリープ力を備えており、モータのメンテナンス性や組立て性向上に貢献します。
NSKはラインアップ拡大により、「クリープフリー™軸受シリーズ」として2017年に年間12億円の売上を目指します。
モータ用軸受は、組立て上の制約から、外輪とハウジング間がすきまばめ*1で使用されることが多く、軸受に回転荷重*2が負荷された場合、使用条件によっては軸受とハウジング間でクリープと呼ばれるすべり現象が発生し、摩耗により軸受寿命を低下させる可能性があります。NSKはこのクリープを防止する軸受として、2007年に軸受内径寸法φ45mm以下を対象とした「クリープフリー™軸受」を市場投入しました。本シリーズは、多くのお客様よりご好評を頂いておりますが、より大型で高出力なモータに採用したいとのご要求を数多く頂いたことから、NSKは今回、軸受内径寸法φ100mmの製品までラインアップを拡大することとしました。

*1 すきまばめ: 軸受と、軸やハウジングとの間にすきまが存在して装着された状態
*2 回転荷重: 回転軸に対して方向が変化するラジアル(半径方向)荷重

【製品の特長】

1. 耐クリープ力は通常軸受の2倍以上(当社比)
Oリング(オーリング)やOリングを装着する外輪外径部のみぞ寸法を最適化し、Oリングの弾力・反発力を引き出すことで、ハウジング、軸受はめあい部に十分な緊迫力を持たせ、耐クリープ力を通常軸受の2倍以上(当社比)に向上させました。
2. 高温での耐クリープ力向上により、モータのメンテナンス期間延長に貢献
高温環境下でのOリングの永久ひずみ量を80%低減(従来材比)させた材質の採用により、Oリングのへたりによる寸法変化が少ないため、安定した耐クリープ力を維持することができます。これにより、モータのメンテナンス期間延長が可能となります。
3. 優れた耐油性により、組立て時に軸受外径に塗布する油脂の選択肢が拡大
エステル系油脂による膨潤の寸法変化率を87%低減(従来材比)させたOリング材質の採用により、モータ組立て時に軸受外径またはハウジング内径に塗布する油脂として、耐熱性が高いエステル系油脂も使用可能としました。これにより幅広い油脂に対応できます。
クリープフリー(TM)軸受シリーズラインアップ
クリープフリー(TM)軸受の性能-耐クリープ力

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