微細操作用「マニピュレーションシステム」を改良

~公益財団法人実験動物中央研究所との共同研究により、様々な実証実験を行ない、性能を高めて実用化~

日本精工株式会社(本社:東京都品川区、代表者:取締役 代表執行役社長 大塚 紀男、以下NSK)は、医療・バイオ業界や電子部品業界などのマイクロ~ナノオーダレベル*の微小な対象物を操作する「マニピュレーションシステム」の小型化、高精度化、操作性などの性能向上を実現し、実用化しました。
* ナノ:10億分の1メートル

微細操作用「マニピュレーションシステム」

マニピュレーションシステムは、細胞などの微小な試料を操作するツールが装着した三次元(XYZ)テーブルと顕微鏡から構成されており、医療・バイオ、半導体、電子業界などで幅広く使用されています。NSKは、精密位置決め駆動技術に最新の画像処理技術を組み合わせることで、微細で高精度な操作を容易にしたマニピュレーションシステムを2008年に開発しました。
今回、NSKは、公益財団法人実験動物中央研究所と協力し、本マニピュレーションシステムを使って、実験動物の顕微授精に成功しました。さらに、小型化や自動化による操作効率の向上などの改良を行い、新型マニピュレーションシステムを実用化しました。第一弾として実験動物中央研究所に納入します。今後、バイオ産業や精密電子産業などに、高度な技術で幅広いニーズに対応します。

【新型マニピュレーションシステムの特長】

(1) 操作効率向上
繰り返し行う操作を自動化でき、操作効率を向上しました。自動化機能により、顕微授精操作の作業時間を約2/3に短縮することが可能になりました。
(2) 小型化
電装盤、コントローラを1台に集約して統合制御することで、従来品に比べて、設置面積約半分の省スペース化を実現しました。
(3) 操作性の向上
従来は顕微鏡を覗きながら微細な操作を行うため、操作者の負担が大きくなっていました。また、作業者の振動が装置に伝わらないように操作することが求められていました。さらには、埃や微生物の混入を避けるクリーンベンチなどが設置された清浄な空間への入退室も負担となっていました。今回の改良により、モニター上の画像を見ながら操作でき、かつ室外からの遠隔操作も可能となり、操作者の負担を軽減します。
(4) 高精度な操作が容易に可能
多くの操作の電動化、操作するハンドルを減らし視認性が良いボタン操作に変えることで、熟練者の勘に頼らず、電子制御により簡単に操作できます。

<NSKの未来技術への取り組み>

NSKは、Motion & Control技術を基盤とした機械要素部品メーカーとして、軸受などの機械要素製品やメカトロ製品の開発を通じて培った、様々な産業の発展に貢献しております。近年はロボット、センサ、バイオMEMSなどの開発にも取り組んでおります。
NSKは、今後も世界トップレベルの技術力によって、最先端の潜在的なニーズに挑戦してまいります。

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