NSF* カテゴリーH3** 登録
世界初100%食品由来の潤滑グリースおよびこれを封入した転がり軸受

~地球環境に優しく、世界最高レベルの高い安全性を実現~

日本精工株式会社(本社:東京都品川区、代表者:取締役 代表執行役社長 大塚 紀男、以下NSK)は、グリース成分が100%食品由来である潤滑グリースを世界で初めて開発しました。また、本グリースは、NSF* カテゴリーH3**に登録された潤滑グリースです。
NSKは、本グリースを封入したステンレス製転がり軸受をスペーシア™シリーズとしてラインアップし、本製品を、7月10日(水)から7月12日(金)まで東京ビッグサイト(東京都江東区)にて開催される医薬品及び化粧品などの展示会、「第26回 インターフェックス ジャパン」に初出展します。

*NSF:

公衆安全衛生の分野で国際的に認められた米国の非営利第三者認定機関、National Sanitation Foundation International

**カテゴリーH3

食肉工場などで肉をつるすフックやトロリーの錆防止等に使用でき食品に接触することが前提となっている潤滑剤、カテゴリーH1よりもさらに高い、最高レベルの安全性。
カテゴリーH1とは偶発的に食品に接触する可能性がある箇所で使用できる潤滑剤。

【開発の背景】

食品、医薬品、化粧品などを取り扱う機械や工場、医療機器などでは、高い安全性が求められています。これらには潤滑剤としてNSFカテゴリーH1のグリースが多く用いられていますが、より安全性の高いカテゴリーH3に適合した潤滑グリースの要求が年々高まっております。
また、NSFカテゴリーH1のグリースや、菜種油などの植物油を用いたグリースは、成分の多くが食品由来ではなく、性能的にも酸化安定性に劣り、潤滑性や耐久性に問題がある場合もありました。
このような中、NSKは、従来から食品、医薬品、化粧品、医療機器の各業界からの潤滑グリースなどに対するさまざまなニーズに対応してまいりましたが、今回、最高レベルの安全性を実現させた以下の優れた潤滑グリースを開発し、NSF カテゴリーH3に登録されました。

更なる安全性の要求 ⇒ NSF カテゴリーH3対応の潤滑剤が求められる

【特長】

(1) 世界最高レベルの安全性を実現した潤滑グリース
今回開発したグリースは、基油、増ちょう剤、添加剤といったグリースを構成する全ての成分が食品由来であり、かつ、米国食品医薬品局(以下、FDA***が定める安全性が認められているGRAS (Generally Recognized As Safe)物質のみで構成されており、NSFのカテゴリーH3に登録された潤滑グリースです。
***: FDA:U. S. Food and Drug Administration
(2) 高性能
本開発グリースは、基油には耐熱性に優れる食用植物油を、増ちょう剤には、基油の保持性に優れる微細な三次元網目構造の食品添加剤を採用し、さらに基油の耐久性能を向上する最適な食品添加剤を配合することで、従来品よりも、酸化安定性に優れ、低摩擦損失で、水に曝されるような環境でもグリースの漏れが少ない耐久性に優れる転がり軸受を実現しました。
(3) サスティナビリティ
本グリースは、成分全てが食品由来であり、石油を使用しない地球環境に優しいグリースです。さらに、自然環境下での微生物による生分解性に優れ、有害な廃棄物も発生しないため、環境汚染もなく、サスティナビリティ社会に貢献いたします。

【製品のポイント】

  1. 世界最高レベルの安全性のグリース
    • NSKが開発したNSFカテゴリーH3に登録されている潤滑グリース
  2. 高性能(市販食品機械用グリース(H1)との比較)
    • 軸受の摩擦損失(トルク)を1/3に低減
    • 2倍の高速回転に対応可能
    • 耐水性に優れグリースの漏れを1/8に低減し、耐久性能を向上
  3. 環境性能
    • 石油資源を使用せず、生分解性に優れたグリース
エコで、安全性最高レベルのグリース

【製品の効果】

世界最高レベルの安全性を実現した本グリースを軸受に採用することにより、食品、医薬品、化粧品を取り扱う機械や工場、医療機器などで、安心してご使用頂けます。また、従来の市販食品機械用グリース(H1)と比較し、低摩擦損失で、長寿命であり、食品・医薬品・化粧品・医療機器など、幅広い産業の省エネルギー化や生産性向上に貢献します。さらに、本グリースは地球環境に優しく、生分解性に優れ、環境負荷を低減します。
NSKは、高機能な製品を開発し、幅広い産業ニーズの高度なご要求にお応えすべく、スペーシア™シリーズの充実を図ります。

プレスリリース記載の情報は報道発表日時点の情報です。
予告なしに変更され、ご覧になった時点と情報が異なる可能性もありますので、あらかじめご了承ください。