日本初、旅客鉄道車両用に「車軸センサ軸受」を開発

~ 鉄道車両の更なる安全性向上とメンテナンス負荷低減に貢献 ~

車軸センサ軸受

日本精工株式会社(本社:東京都品川区、代表者:取締役 代表執行役社長 大塚 紀男、以下NSK)は、鉄道車両の一層の安全性・信頼性向上と省メンテナンスに寄与する、日本初の旅客鉄道車両用「車軸センサ軸受」を開発しました。本製品は、西日本旅客鉄道株式会社様(以下、JR西日本)の関西地区を走行する快速321系電車、北陸地区の521系電車に採用されており、安全運行を続けております。
鉄道車両向け軸受は、鉄道の安全走行に直接影響する重要部品であり、高い信頼性が要求されます。更には、信頼性を維持しながら省エネや環境負荷低減のため軽量化も重要な課題となっています。なかでも、たくさんの乗客を迅速に多くの駅にお運びする快速車両に使われる軸受には、乗り心地の良さに加えて、耐久性の高さやメンテナンス性の良さが求められます。NSKは、従来から鉄道車両用軸受の信頼性向上と高機能化を図ってきております。今回、日本で初めて旅客鉄道車両用センサ軸受によって車軸軸受の回転速度を監視することを可能にし、更なる安全性・信頼性向上を実現しました。

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本製品は安全性の向上に加えて、メンテナンス負荷を低減できることから、今後、ますます広く用いられることが期待されています。また、このセンサ内に複数のセンシング機能(温度、振動、回転速度)を内蔵させた より高機能なマルチセンサへと発展させることも可能です。

【製品の特長】

1.高精度センシング機能
  • 本製品は車軸軸受のシールに直接取り付け、軸の回転速度のセンシングを可能にしたことで、ブレーキを掛けた際などの車輪の滑走(スリップ)を防ぎます。これにより、滑走による車輪の摩耗が原因で発生する車輪フラットと呼ばれる損傷を予防し、乗り心地の悪化や線路設備への衝撃を防止し、安全性向上とメンテナンスの負荷を低減します。
2.小型化で取り付けが容易
  • 本製品は、小さなスペースに取り付け可能で、軸箱、軸受とその周辺部品を交換するだけで既存の車両にも取り付けることが出来ます。
3.センサの信頼性の確立
  • センサは屋外で日光や風雨・雪に曝される環境下で使用されるため、防水、耐寒、耐熱等の高い耐候性を実現しています。また、車両が線路の継ぎ目を通過する際などにセンサは強い衝撃を受けることから、本製品は、100Gを超える大きな衝撃にも耐えられる性能を持ち、走行中に受ける繰り返し振動に対しても充分な耐久性も備えています。

【NSKの鉄道車両向け軸受】

鉄道車両には安全をはじめとする高い信頼性に加えて、高速化への対応、省エネのための小型・軽量化、更には、メンテナンスの容易さなどが求められています。NSKは、JR各社が国鉄の時代から、国産鉄道車両の進化を支え、新幹線をはじめとする世界有数の高速性と信頼性を確立してきた日本の国産鉄道車両の性能向上に貢献してまいりました。NSKの鉄道車両向け軸受は、鉄道の安全性及び信頼性、高速化、高効率化を小型・軽量化、高速化対応、メンテナンスフリー化を実現し、国内トップのシェアをいただいております。NSKは、これからも環境負荷低減に貢献する鉄道車両向け事業を拡大してまいります。

鉄道車両軸受の技術動向

<鉄道車両における車軸部の技術要求>

鉄道車両軸受の技術動向

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