鉱業市場向け「振動機械用長寿命自動調心ころ軸受」を開発

日本精工株式会社(取締役 代表執行役社長 大塚紀男､以下ＮＳＫ)は、鉱業設備の振動機械向けに、従来品に比べて2倍以上の長寿命を実現した「振動機械用長寿命自動調心ころ軸受」を開発しました。ＮＳＫは、2011年に本製品の売上として10億円を目指します。

【開発の背景】

世界的な都市化や人口増に伴い、BRICs、新興国を中心に資源需要は拡大しております。このため、近年、鉱山で用いられる設備は、24時間稼動が多く、年間に6,000時間を越える過酷な状態で稼動することもあります。鉱山で用いられる設備の中でも、特に鉱物を選り分ける振動機械に使われる軸受の耐久年数は他の機械で使用されている軸受と比較して短く、振動機械の停止が生産に大きく影響を与えることがあります。そのため、振動機械用軸受には、長寿命・高信頼性が求められています。

本製品は、高度な解析技術と過酷な評価試験、最先端の生産技術を活かして、振動機械専用軸受として開発することで、以下の優れた特長により長寿命化と高信頼性という市場の要求にお応えします。

【製品の特長】

◆ＮＳＫ長寿命化技術の採用

軸受寿命を延ばすため外輪軌道面上に特殊溝加工を採用し、転動体(ころ)の自転(すべり)を制御しました。さらに軌道面・転動体曲率を最適化しました。これにより回転中の内外輪ところの接触面でのすべりと発生応力を抑制し、表面疲労損傷を低減しました。この技術により従来形軸受の2倍以上の寿命延長を可能にしました。

◆最適仕様の継承

世界各国の過酷な使用環境で実績を積んだ設計仕様を継承し、ラジアル内部すきまと軸受寸法許容差をコントロールし、負荷分布の安定を図っています。

• ラジアル内部すきまを標準軸受(ISO規格)に対して、2/3に設定
• 軸受外径寸法許容差、内径寸法許容差を標準軸受(ISO規格)に対して、1/2に設定

【新製品のラインナップ】

本製品は振動機械専用軸受として軸受外径90mmから400mmまでの22種類ラインナップし、鉱業設備のメンテナンス負荷低減に貢献致します。

新製品の技術

新製品の特長